4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=28戦全勝(25KO)=選手を指導する、実父の井上真吾トレーナーが、WBAの2024年「トレーナー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀トレーナー賞)」を受賞。真吾トレーナーは、2023年にもWBCの「トレーナー・オブ・ザ・イヤー」に輝いている。

真吾氏が24歳の時にボクシングと出会い、指導を受けたのが協栄町田ジムに在籍していた中村 隆 トレーナー。真吾氏はその著書の中で、『先生から「筋がいい」と褒められました。褒められるのは大好きです。一気にのめり込みました』と、当時を回想している。

中村氏は、私も指導を受けた先生で、ミカドジム在籍中は、無敗で全日本バンタム級新人王を獲得し、大器と期待された元日本スーパーバンタム級1位水野久己選手、アーロン・プライアー(米)の世界王座へ挑戦した亀田昭雄選手らを指導。元協栄ジムのマネジャーで、エディ・タウンゼント賞を受賞した大竹重幸氏もその一人。

「井上の親父は下手くそでね。私の指導は基本重視で、ジャブ、ジャブ、ワンツー、ワンツースリー、あとはせいぜいアッパーくらい。それがうまくできない。かなり怒りましたよ。でも親父は熱心でした。私にミットを持ってもらいたいんでしょう、飢えたような目でこっちを見ているんです。ちょっと時間が空いて『オイ』って呼ぶと、すっ飛んできてミットを打ち始めましたね」(中村先生)

中村先生の言葉で当時を思いだしましたが、怖くはないんですが本当に基本重視で、当時としては珍しいフレンドリーな雰囲気を持ったトレーナーでした。

新年5日、大竹氏との新年会で、「中村先生どうしてるかなァ」という話になり、大竹氏が連絡を取るがつながらない。「やっぱり年だからなァ」(笑)などど話していると、中村先生からの電話が鳴った。

短い時間でしたが、お話できて良かった。やっぱり、若い頃、厳しい指導を受けた先生とお話しできるのは、うれしいものですね。今度、お会いできるのを楽しみしています。

そして、真吾トレーナーに最初にボクシングの手ほどきをしたのが、中村先生というのは、ちょっと嬉しい自慢です。

また、WBCはインターネットでの一般投票によって選出される2024年の年間賞を公式サイトで発表。井上尚弥選手が昨年5月6日に東京ドームで行われた4団体王座防衛戦で、WBC1位だったルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちした試合が、男子の最優秀KO賞を受賞した。

▼男子最優秀選手賞

オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)

▼女子最優秀選手賞

スカイ・ニコルソン(オーストラリア)

▼男子最高試合賞

ウシクvsタイソン・フューリー(英国)第1戦

▼女子最高試合賞

ケーティ・テーラー(アイルランド)vsアマンダ・セラノ(プエルトリコ)

▼男子最優秀KO賞

井上尚弥(日本)vsルイス・ネリ(メキシコ)

▼女子最優秀KO賞

ガブリエラ・フンドラ(米国)vsガブリエラ・アラニス(アルゼンチン)