年内休養を発表していたIBF世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=18勝(12KO)3敗=は、来年、母国ウクライナで背中のMRI検査を受ける事が明らかになった。マネジャー、エギス・クリマス(リトアニア出身、米在住)は、ロマチェンコのケガはトレーニング中に負ったもので、検査の結果次第で、「彼(ロマチェンコ)の運命が決まる」と語っている。
36歳の世界最速3階級制覇王者のロマチェンコは、5月12日にオーストラリア・パースのRACアリーナで行われた、IBF世界ライト級王座決定戦で、ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)=21勝(10KO)3敗=を11回2分49秒TKOで破り、世界王座返り咲きを果たした。
その後7月に入り、WBA世界同級王者ジェルボンテ・デービス(米)=30戦全勝(28KO)=との王座統一戦が、11月に米・ラスベガスでの開催が計画され、ロマチェンコ擁するトップランクと、デービスの代理人PBCの関係者が接触。ESPNとプライム・ビデオによるPPV放送契約をまとめる段階まで進んだが、「家族ともっと時間を過ごしたがっている」(クリマス)を理由に、ロマチェンコは年内休養を宣言。
ロマチェンコが復帰した場合、デービスとの対戦が期待されるが、デービスは来年3月1日(日本時間2日)に米・ニューヨーク、ブルックリンのバークレイズ・センターで、WBA世界スーパーフェザー級王者ラモント・ローチ(米)=25勝(10KO)1敗1分=と対戦する事が決定。トップランクはロマチェンコとデービスとの対戦に付いて、もう一度協議されるかどうかはわからないとの見解を示していた。
トップランクはロマチェンコのケガが深刻でリング復帰が不可能となった場合の準備も進めており、IBF2位(1位は空位)にランクされるザウル・アブドゥラエフ(ロシア)=20勝(12KO)1敗=と、4位のレイモンド・ムラタラ(米)=22戦全勝(17KO)=による王座決定戦が用意されている。
同級3位のトップランク・ファイター、キーショーン・デービス(米)=12勝(8KO)無敗1NC=は、WBO1位にランクされており、WBO世界同級王者デニス・ベリンチク(ウクライナ)=19戦全勝(9KO)=への挑戦試合が、来年2月14日(日本時間15日)に、米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催される事が決まっている。
ロマチェンコの検査は来年早々にも行われる予定で、クリマスは「健康であれば、また戦うだろう」と言う。ケガの程度は判明されていないが、負傷箇所が腰だけに心配されます。