5月17日(日本時間18日)、WBAは5月6日(日本時間7日)付けで、帝拳プロモーションの本田明彦代表から、堤選手が試合に出場する医学的適格性に欠く旨が正式に通告された事を受け、世界バンタム級王者 堤 聖也(角海老宝石)=12勝(8KO)無敗3分=選手を、休養王者として認定。
これにより、同級暫定王者のアントニオ・バルガス(米)=19勝(11KO)1敗1NC=が、堤選手の後継王者としてレギュラー王者に昇格した事を発表した。

堤選手は2年程前から左目の不調を感じ、角膜に傷が入っている事が判明。昨年から手術を模索していたが、世界戦が決まり後回しとなっていた。しかし、2月24日に比嘉大吾(志成)=21勝(19KO)3敗2分=選手と引き分け、初防衛に成功した後、手術を受けていた。
堤選手との対戦を指令されていたバルガスは、2位(1位は空位)の那須川天心(帝拳)=6戦全勝(2KO)=選手は6月8日に試合が決定済で、3位にランクされる元WBC世界フライ級王者比嘉選手の挑戦を受ける事が有力で、試合は7月下旬に開催される複数世界戦興行に組みこまれる。
手術後、驚異的な速さで回復に向かっているという堤選手は、復帰戦でレギュラー王者と対戦する事になるが、最近のWBAの動向を見ると暫定王座を空席のままにしておくとは思えず、強力プロモーターからの要請があれば、暫定王座決定戦が承認されても不思議ではない。

幸いランキング上位は日本人選手で占められているが、2連敗中で2年近く戦っていない元世界5階級制覇王者(暫定含)のノニト・ドネア(フィリピン)=42勝(28KO)8敗=が、いきなり5位にランキングされたのは何か思惑があってのことでしかなく、暫定戦も含め、「中谷に勝って、また、井上と戦いたい」というドネアの野望が、どんな形で実現するのか興味深い。