3月26日(日本時間27日)、WBAは世界バンタム級王者 堤 聖也(角海老宝石)=12勝(8KO)無敗3分=選手と、同級暫定王者アントニオ・バルガス(米)=19勝(11KO)1敗1NC=による王座統一戦を指令した事を公表。交渉期間は4月25日(日本時間26日)までで、対戦同意に達しない場合は入札となる。
堤選手は昨年10月13日に東京・有明アリーナで、井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=が保持していた世界王座に挑戦し、旺盛な闘志で井上選手を押し込み、12回判定勝ちで世界王座を奪取。

2月24日に東京・有明アリーナで行われた初防衛戦では、元WBC世界フライ級王者で同級4位にランクされていた比嘉大吾(志成)=21勝(19KO)3敗2分=選手の挑戦を受け、ダウン応酬の大激闘の末に12回引き分けで初防衛に成功。
WBAは堤選手が世界王座を獲得した日から120日以内に、指名試合を行わなければならないとし、1月11日(日本時間12日)にその期限を迎えた堤選手は、バルガスと対戦しなければならないとしている。
バルガスは昨年2月24日(日本時間25日)に米・フロリダ州オーランドのカリビ・ロイヤル・オーランドで行われた、WBA世界バンタム級挑戦者決定戦で、ジョナサン・ロドリゲス(米)=17勝(7KO)3敗1分=に7回終了TKO勝ち。
その後、堤選手が井上選手を破り新王者となったすぐ後に、WBA総会が開催される米・フロリダ州オーランドのカリビ・ロイヤル・オーランドで、暫定王座決定戦への出場が決定。対戦相手には米・フロリダ州マイアミに本拠を構える、M&Rプロモーションと契約する、9位のウィンストン・ゲレロ(ニカラグア)=22勝(13KO)1敗=が選ばれた。
昨年12月13日(日本時間14日)に行われた暫定王座決定戦は、バルガスが開始30秒足らずで、右アッパーから左フックを叩き込みダウンを奪う好スタートを切ったが、第2ラウンド、ゲレロのボディ連打からの右フックが決まり、今度はバルガスがダウン。ダメージは大きかったが、終了ゴングに逃げ込んだ。
3回以降はこれまで10回戦を戦ったのが一度だけ(3回KO勝ち)というゲレロと、バルガスのキャリア、地力の差が徐々に表れ、第10ラウンド、バルガスが連打をまとめ、レフェリーストップを呼び込みTKO勝ちで暫定王座を獲得。

バルガスは、「WBA暫定王座の獲得は、私がこれまで犠牲にしてきたことの結果であり、これからが始まりに過ぎない」と語り、「世界最高のバンタム級選手であることを証明したい。日本であろうとどこであろうと、彼と戦う準備はできている」と、堤選手との対戦はいつでもOKと意思表示。
これを聞いた堤選手は、バルガスとの王座統一戦がWBAから指令された場合には、「決まったらやっつけます」と断言していた。今後の交渉に注目。