8月8日(日本時間9日)、リビア・ベンガジのマルティロス・デ・ベニナ・スタジアムで開催された、「WBA KO to Drugs」興行のメインイベント。WBA世界フェザー級暫定王座決定戦。同級1位ミルコ・クエロ(アルゼンチン)=14戦全勝(11KO)=と、同級15位セルヒオ・リオス・ヒメネス(メキシコ)=19戦全勝(7KO)=の一戦は、クエロが2回KO勝ちで新王者。

初回、クエロはサウスポーのヒメネスにプレスを掛けジワリ前進。速いジャブから左フックをヒット。そして残り20秒、クエロの右ストレートが決まるとヒメネスはストンと腰からキャンバスへ落下。8カウントが数えられた。

2回、クエロは圧力を強めヒメネスを追う。後退一方のヒメネスにクエロの左フックが決まると、ヒメネスはまたもやダウン。再開後、クエロの左フックがボディに突き刺さるとヒメネスはキャンバスへ倒れ込み、両膝を突いたままテンカウントを聞いた。

Mirco Cuello

2018年ユース五輪バンタム級で銅メダルを獲得し、東京五輪にも出場している次世代のスター候補クエロの為に用意された暫定王座決定戦は、試合開始で両者が対峙した時から力の差がはっきりと感じられ、全てのダウンがワンパンチによるもので、全くあっさりと決着。

ヒメネスは6年のキャリアで8回戦を3度戦っただけで、10回戦は未経験。19戦のキャリアの中で勝ち越している選手と戦ったのは2度だけ、5連敗以上を継続中の相手が10人もいる。昨年4月に8回戦でグローブを交えたフアン・バルデス(メキシコ)=8勝(7KO)14敗=は6連敗中。昨年6月の6回戦で3回TKO勝ちを収めているグレゴリオ・ソト(メキシコ)=13勝(8KO)29敗3分=は、一つの引き分けを挟んで8連敗。今年5月の6回戦で初回KO勝ちしたグスタボ・モリーナ(メキシコ)=24勝(9KO)28敗=は、なんと13連続KO負け中。

世界ランキングに入る材料はクエロと戦う以外に何もないが、最新ランキングで強引に15位に押し込み暫定王座決定戦は実現。クエリョ陣営に、その戦績の良さから対戦相手に抜擢されたのは、世界ヘビー級王者アポロ・クリードに”イタリアの種馬”という別名が面白いとして、世界挑戦者に抜擢されたロッキー・バルボアとそっくりで、「このチャンスを絶対にものにする」と猛トレーニングに励んだヒメネスだったが、全く何も出来ずの完敗となった。