元WBA世界ヘビー級レギュラー王者マヌエル・チャー(独)=34勝(20KO)4敗=が、WBA、ヒルベルト・ヘスス・メンドーサWBA会長個人、ドン・キング・プロダクションらを相手取り、不当な王座剥奪などで提訴し、係争が続いていた裁判は、このほどWBAとの和解が成立。38歳のチャーがWBA世界ヘビー級レギュラー王者に正式に復帰した。
チャーは10月14日(日本時間15日)までに同級5位ジャレル・ミラー(米)=26勝(22KO)無敗1分=と防衛戦を行う事を義務付けられ、その勝者はWBAの指令する挑戦者と対戦する事になった。35歳のミラーは度重なる薬物検査違反を犯している常習者で、2019年6月に決まっていた当時のIBF、WBO世界ヘビー級&WBA同級スーパー王者アンソニー・ジョシュア(英)=26勝(23KO)3敗=への挑戦は、VADAによる薬物検査で、禁止薬物GW501516、HGH、EP0の陽性反応が検出され、消滅していた。
しかし、昨年6月に約3年7ヶ月ぶりにアルゼンチンでリング復帰を果たしたミラーは、3連勝(2KO)でWBAランキングを5位まで上げて来た(他団体はノーランク)。米・ネバダ州からのライセンス再発行も認められているが、チャーvsミラーのWBA世界ヘビー級レギュラー王座戦にどれだけの価値があるのかは、ボクシングファンが知る所。WBAの世界王座捏造のツケが未だ終わらない事は残念。