10月11日(日本時間12日)、メキシコ・ナウカルパンで開催されたラテン・KO・プロモーション興行に出場した、21歳の新星WBA世界ライトフライ級4位アーロン・デ・ラ・クルス(メキシコ)=12戦全勝(7KO)=は、WBC世界ミニマム級14位レイネリス・グティエレス(ニカラグア)=11勝(2KO)2敗1NC=を相手に、保持するWBA中南米同級王座の初防衛戦に臨んだ。
デ・ラ・クルスは鋭い左リードからおもいきった右ストレートを打ち込み、さらに左ボディを突き刺し、序盤戦から試合をリード。世界王座挑戦経験のあるグティエレスも、右ストレートを合わせ突破口を開こうと応戦したが、迎えた第5ラウンド、デ・ラ・クルスの右アッパーがグティエレスの顎を捕らえると、グティエレスは背中からダウン。何とか上体を持ち上げたが、そのまま動けず試合は終了。
KOパンチは右を打ち込んで来たグティエレスに対し、真下から放たれた見事なアッパーで、試合終了後もグティエレスはしばらく動けないほどのダメージを被った。

17歳で4回戦からデビューしたデ・ラ・クルスは、8月2日(日本時間3日)にベネズエラ・カラカスへ遠征。WBA世界ライトフライ級7位(現9位)にランクされていたロドリゴ・ラミレス(ベネズエラ)=20勝(13KO)2敗2分=を初回53秒KOで破り、中南米王座と世界ランクを強奪。これが初めての海外遠征、2度目の10回戦だった。
デ・ラ・クルスはまだ21歳、細身の体はこれからもっと成長して行くと見られるが、おもいきって放たれるパンチは左右どちらもスピード、パワー十分で勢いがある。今後、キャリアを積み上げて、世界王座に接近するのは間違いなく、怖い存在となろう。
プロモーターのラテン・KO・プロモーションを主宰するオズワルド・キュキュレは、デ・ラ・クルスを「来年中には世界タイトルに挑ませたい」と話しており、今後のステップアップが注目される。