帝拳ジム期待のホープ、23歳の高見亨介(帝拳)=9戦全勝(7KO)=選手が、WBA最新ランキングでライトフライ級1位に躍進。高見選手は4月8日に行われた日本ライトフライ級タイトルマッチで、王者でWBC世界同級3位、WBO8位、IBF12位にランクされていた川満俊輝(三迫)=11勝(7KO)2敗=選手を序盤から圧倒。6回2分26秒TKO勝ちで日本王座を獲得。
この試合での勝利が評価された形で、前回3位から2位のアルビン・ホン・パシオネス(フィリピン・ベトナム在住)=10戦全勝(5KO)=を飛び越え、空位だった1位にステップアップ。
WBA世界同級は、WBA世界ミニマム級レギュラー王座を返上したエリック・ロサ(ドミニカ)=8戦全勝(2KO)=が、昨年12月19日(日本時間20日)にドミニカ、サント・ドミンゴで行われた王座決定戦で、3位にランクされていたネイダー・バルデス(メキシコ)=14勝(11KO)2敗2分=を12回判定で破り新王者となっている。
25歳のロサはドミニカ最速となるプロ4戦目でWBA世界ミニマム級暫定王座を獲得。5戦目でビック・サルダール(フィリピン)=26勝(16KO)6敗=を、12回スプリットの判定で破りレギュラー王座を獲得した。

その後はスーパー王者タンマヌーン・ニヨムトロン(タイ)=26勝(10KO)1敗=との王座統一戦が、一度はタイまで渡りながら入国拒否され、決まっては流れの繰り返しとなり、昨年1月ミニマム級王座を返上し、ライトフライ級に転じた。
しかし、世界王座獲得後ははっきりしたスケジュールが出ず、3月13日に東京・両国国技館で、岩田翔吉(帝拳)=13勝(9KO)2敗=選手に12回判定勝ちを収め新王者となった、レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)=14勝(9KO)4敗=が、王座統一戦を呼びかけている。
ドミニカ史上最速の2階級制覇王者ロサは、身長160センチのサウスポー。スピードとテクニックには定評があるが、一発には欠ける。地元で行われたサルダール戦はダウン応酬の激戦を制したが、中立国のジャッジ2名が試合開始に間に合わず、サルダール陣営は渋々ながらドミニカ人ジャッジの起用を承認。
ロサにとってはこれが幸いし、スーパーバイザー兼任のルイス・パボン(プエルトリコ)113-112ロサ、レイナ・ウルバエス(ベネズエラ)113-112サルダール、オスカー・ペレス(ドミニカ)116-109ロサのスコアで勝利。サルダールは不運なダウン裁定もあり惜敗。
昨年4月の、IBF世界ミニマム級10位ユデル・レイエス(メキシコ)=16勝(6KO)4敗=戦では、終盤、疲れの色を見せレイエスに打ち込まれるシーンもあった。バルデス戦でも、終盤に打ち負け動きが止まるシーンもあり、タフネスには疑問点が付く。
王座獲得以来、防衛戦を消化していないロサに対し、WBAが1位となった高見選手の挑戦を義務付ける可能性は高い。日本タイトル獲得後、帝拳ジム・本田明彦会長も「久しぶりに素質のあるチャンピオン。世界ランクも高いし(世界戦は)いつやってもいい」と、ゴーサインを出しており、今後の動向が注目される。