WBA世界スーパーライト級王者ゲイリー・アントゥアン・ラッセル(米)=18勝(17KO)1敗=のトレーナーを務めるゲイリー・ラッセルJrは、アントゥアンの次戦が10月になる事を明言。ラッセル陣営は7月12日(日本時間13日)に米・ニューヨークで行われる、WBC世界同級王者アルベルト・プエジョ(ドミニカ)=24戦全勝(10KO)=に、元IBF王者で同級8位のスプリエル・マティアス(プエルトリコ)=22勝(22KO)2敗=が挑むタイトル戦勝者との対戦を希望している。
しかし、その前にアントゥアンはWBAから指令されている同級1位平岡アンディ(大橋)=24戦全勝(19KO)=選手との指名戦を行う義務があり、試合は10月に日本で開催される事になるだろう。

同日は階級アップが既定路線と見られる、IBF、WBC世界同級王者中谷潤人(M・T)=31戦全勝(24KO)=選手が王座を返上した場合、空位となるIBF世界バンタム級王座を賭けて、同級3位(1、2位は空位)ホセ・サラス・レイエス(メキシコ)=16戦全勝(10KO)=と、元WBA王者で4位の井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=選手の対戦が見込まれている。
WBA世界スーパーライト級は、7月5日(日本時間+4時間)にロシア・エカテリンブルクのDIVS・アリーナで行われた挑戦者決定戦で、同級2位カリトン・アグリバ(ロシア)=15勝(9KO)1敗=と、同級12位ルーベン・ネストル・ネリ・ムニョス(アルゼンチン・上写真)=18勝(14KO)2敗=が対戦。
試合開始からグイグイとプレスを掛け攻め込んだアグルバに対し、第2ラウンド、ムニョスが会心の左カウンター一発で、地元期待のアグリバをKO。大番狂わせで平岡選手の次の指名挑戦権獲得に成功している。
そして、7月11日(日本時間12日)にアルバニア・ティラナのアンフィ・シアターで開催される、WBA世界同級7位アレッサンドロ・リグッチーニ(イタリア)=30戦全勝(26KO)=と、同級8位ヘスス・コレア(ベネズエラ)=18戦全勝(17KO)=の一戦は、WBA世界同級暫定王座決定戦として行われ、ついにこのクラスにも暫定王者が誕生する。

両選手共に数字は立派だが実績は大いに乏しく、この暫定王座決定戦は、元WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr(メキシコ)=54勝(34KO)7敗1分1NC=に勝った、人気YouTuberボクサーのジェイク・ポール(米)=12勝(7KO)1敗=が、WBA世界クルーザー級14位にランクされた事よりも、悪いニュースとして、心あるボクシング・ファン、関係者の失笑と怒りを買っている。
ラッセルvs平岡の勝者には次の指名挑戦者ムニョスが決まっているが、新暫定王者との絡みはどうなるか。全てのクラスに暫定王者が誕生するのは時間の問題となっており、WBAタイトルの指名戦義務の複雑化は避けられない。