WBCのマウリシオ・スライマン会長は、トラブル続きの元WBC世界ライト級暫定王者ライアン・ガルシア(米)=24勝(20KO)1敗1NC=に対し、会長権限により、今後ガルシアをWBCのあらゆる活動から除名する事を決定。スライマン会長は、「精神衛生と薬物乱用に関する私たちの援助を何度も断っているので、ライアンの健康が心配です」と、補足している。

昨年4月22日(日本時間23日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われた、ガルシアとWBA世界ライト級王者ジェルボンテ・デービス(米)=30戦全勝(28KO)=との試合では、120万件以上のPPV売り上げ、チケット収入はラスベガスのボクシング興行史上5番目に大きい、約2280万ドル(約30億4730万円)を記録。

4月20日(日本時間21日)に米・ニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで行われた、WBC世界スーパーライト級王者デビン・ヘイニー(米)との対戦では、ガルシアが5000万ドル(約77億7950万円)以上。ヘイニーは3500万ドル(約54億4570万円)以上の報酬を得た事を、ヘイニー自身が明らかにしていた。

ガルシアはヘイニー戦でオーバーウェイト。一度は勝利者宣言を受けながらも、試合後の薬物検査陽性により、試合はノーコンテストに変更された。

これにより無敗を保つ形となったヘイニーだが、ニューヨーク州アスレチック・コミッション(NYSAC)から1年間の試合出場停止処分を受けたガルシアに付き合うように、自らも1年間ボクシングから離れる事を明らかにし、「次はガルシアと戦う」と宣言。WBCからは休養王者として認定された。

1年後、ガルシアvsヘイニーが一体どれだけ注目されるのか。ガルシアのリング復帰の準備は果たして整うのか。それに付き合う事を選択したヘイニーも、どれだけのパフォーマンスを見せられるのかには疑問が残る。暫くはリング外の戦いが続きそうです。