WBCスーパーミドル級挑戦者決定戦 2位パチェコ出場辞退 混迷の挑戦者決定戦戦線

WBCが指令していた、世界スーパーミドル級1位クリスチャン・ムビリ(フランス)=28戦全勝(23KO)=と、同級2位ディエゴ・パチェコ(米)=23戦全勝(18KO)=による、同級世界王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)=62勝(39KO)2敗2分=への指名挑戦者を決める決定戦は、4月8日(日本時間9日)の入札を前にパチェコが出場辞退を表明。これにより、ムビリは次のランキング上位者と、世界王座への挑戦権を賭けて対戦すことになる。

WBC世界同級3位オスレイス・イグレシアス(キューバ)=13戦全勝(12KO)=は、ムビリと同じアイ・オブ・ザ・タイガー・マネージメントによりプロモートされ、IBFからケビン・レレ・サドジョ(フランス)=24戦全勝(21KO)=との挑戦者決定戦を指令されている。

IBF世界同級挑戦者決定戦は、サドジョとムビリによる戦いが指令され、サドジョ陣営が入札で興行権を獲得した後、ムビリは出場を辞退。代わってイグレシアスが、挑戦者決定戦へ出場する事を指令されたが、サドジョをプロモートするY12ボクシングのヨハン・ザウイは、これに対し異議を唱え、同じく同級2位(1位は空位)ウラジール・シシュキン(ロシア / 米・フロリダ州在住)=16勝(10KO)1敗=をサポートする、サリタプロモーションのドミトリー・サリタも同調。サドジョvsシシュキンによる挑戦者決定戦を要求している。

シシュキンは昨年10月19日(日本時間20日)にドイツ・ベルリン郊外、ファルケンセのシュタンツァーレで行われた、IBF世界同級王座決定戦で、ウィリアム・スカル(キューバ / ドイツ・ベルリン在住)=23戦全勝(9KO)=に12回判定で敗れたが、この判定は大いに物議を醸し、IBFは即時再戦を指令。シシュキンは次期指名挑戦の権利を有しており、IBFの裁定が注目されている。

イグレシアスのIBF挑戦者決定戦出場が白紙となった場合、ムビリvsイグレシアスの実現は可能となるが、両選手をプロモートするアイ・オブ・ザ・タイガー・マネージメントはどう動くか。

今後の狙いはWBO王座となった、WBO世界同級1位にランクされているパチェコは、かねてから計画されていた元世界ランカーのトレバー・マッカンビー(米)=28勝(21KO)1敗1NC=との対戦同意が伝えられ、今夏に対戦が実現する事が仮決定。正式発表が待たれるだけとなっている。

boxing master

金元 孝男(かなもと たかお)。1960年生まれ、静岡県出身。元協栄ボクシングジム契約トレーナー 。ジャパン・スポーツ・ボクシング・クラブ・マネジャー。輪島功一選手の試合をテレビで観たばっかりに16歳で上京。プロボクシングの世界へ。1978年のプロデビュー。引退後はハワイの伝説のトレーナー、スタンレー・イトウ氏に師事。ハワイ・カカアコ・ジムで修行。協栄ジムでは元WBA世界スーパーバンタム級王者佐藤 修 、元WBA世界フライ級王者坂田健史らをアシスタント・サポ-ト。

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