WBCは世界ライトフライ級2位エリック・バディロ(メキシコ)=17戦全勝(8KO)=と、同級8位ジェラルド・サパタ(ニカラグア)=15勝(5KO)2敗1分=による、同級挑戦者決定戦を承認。試合は7月11日(日本時間12日)に開催(会場未定)され、ProBox TVにより配信される事を、バディロと契約するサンプソン・ボクシングが発表。
そして、この試合の勝者は、WBC世界同級王者パンヤ・プラダブスリ(タイ)=44勝(27KO)2敗=と、同級37位クリスチャン・バルナン(フィリピン)=12戦全勝(7KO)=によるタイトル戦の勝者へ挑戦する権利を獲得する事になるとされている。
29歳のバディロは、「すべてのファイターが、WBCの緑のベルトを腰に巻くことを夢見ている。ついに私の時代がやってきた。プロモーターのオールスター・プロモーションに感謝します。このチャンスを無駄にするつもりはない。7月11日には必ず勝利する」と決意を表明。
バディロの代理人を務める、サンプソン・リューコーイッツは、「ProBox TVのギャリー・ジョナスには感謝したい。彼はボクシングのあらゆる部門を特集する意欲を示し、ボクシングの次世代チャンピオンやスターとして知られるようになった多くの若いファイターにチャンスを与えてくれた」とコメント。
30歳のサパタは、昨年6月7日(日本時間8日)に米・ニューヨーク州ヴェローナのターニング・ストーン・リゾート&カジノで、オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)=12戦全勝(9KO)=の保持するWBO世界ミニマム級王座に挑んだが、王者の牙城を脅かす事は出来ず、12回大差の判定負け。

しかし、元来のライトフライ級に戻したサパタは、3月7日(日本時間8日)にニカラグア・マナグアで行われた再起戦で、空位のWBOラテン・ライトフライ級王座を賭けて、アザエル・ビジャール(パナマ)=21勝(15KO)4敗4分=と対戦。10回判定勝ちを収めている。
WBC世界ライトフライ級王者パンヤ・プラダブスリ(タイ)=44勝(27KO)2敗=は、昨年12月26日にタイ・バンコクのラジャナムダン・スタジアムで行われた王座決定戦で、同級1位カルロス・カニサレス(ベネズエラ)=27勝(19KO)3敗1分=を12回判定で破り王座を獲得。
公式スコアは、ザナシール・タズナー(モンゴル)116-112、アントニオ・カリージョ(米)115-113でパンヤと、マルコム・ブルナー(オーストラリア)114-114の2-0だったが、パンヤの勝利を告げられた瞬間、ラジャナムダン・スタジアムの観衆は、大ブーイング。YouTube Channel、ESPNで放映された試合直後から、判定に対する非難が殺到。

世界中のファン、関係者から2024年最悪とまで批判されたこの判定に付いて、WBCのマウリシオ・スライマン会長もすぐに反応。「ジャッジのパフォーマンスには失望している。関連委員会に対し、即時再審査を命じるつもりだ」と、自身のSNSへ投稿。
これを受け、WBCは即時再戦を指令。交渉期限は2月18日(日本時間19日)までで、対戦同意に達しない場合は入札が行われるとしたが、再戦はタイで開催の方向と伝えられて以来、決定の報は伝わらず、最近になり海外からは、パンヤは日本で同級3位高見亨介(帝拳)=9戦全勝(7KO)=選手と対戦するという話が、チラホラと出ていた(これはない)。

パンヤvsカニサレス2の動向は不透明のままで時間が過ぎていたが、サンプソン・ボクシングはパンヤがバルナンと戦うと公表。バルナンはミニマム級ではIBF世界5位、WBO12位にランクされているが、これまでフィリピン以外で戦ったことはない。
試合開催地、日時等は不明だが、カニサレスとの再戦がこじれているだけに、ワンクッション挟む可能性も高い。今後の動向に注目。