WBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定10回戦(主催者発表)。WBA世界同級9位 堤 駿斗(志成)=5戦全勝(2KO)=vs元世界同級王者、14位レネ・アルバラード(ニカラグア)=34勝(22KO)14敗=。12月31日、東京・大田区総合体育館。2024年、日本国内最終試合。
堤選手は2024年4月17日に東京・後楽園ホールで行われた、元WBA世界バンタム級王者アンセルモ・モレノ(パナマ)とのフェザー級10回戦で、契約ウェイトを作れず1・55キロの体重超過。試合には3回KOで勝利したが、JBCから6ヶ月間のライセンス停止処分を受け、階級を上げての復帰戦。
35歳の元世界王者アルバラードに対し、堤選手はスピードの違いを見せつけ、序盤からペースを握って行った。
強豪との対戦経験豊富なアルバラードだが、堤選手のスピードに圧倒され、得意の乱打戦に持ち込めず、劣勢のラウンドが続く。
第8ラウンド、堤選手の左フックをカウンターを喰ったアルバラードはグラり。
堤選手はこのチャンスを逃さず、一気の連打でレフェリーストップ勝ち。
TKOタイム8回1分55秒。
49戦のキャリアで2度目のKO敗戦を喫したアルバラードは、「スピードに付いていけなかった。世界王者になれる素質がある」と、堤選手を絶賛。リングサイドで観戦したジムの先輩井岡一翔選手も、「最高やった。来年、世界戦をやれるよ」と堤選手の勝利を称えた。堤選手は、「この階級の強い選手に一つ一つ勝って行きたい」とし、世界挑戦に付いては、2025年の終わりにチャンスが来ればと先を見据えた。
WBA世界同級は王者ラモント・ローチ(米)=25勝(10KO)1敗1分=が、3月1日(日本時間2日)に米・ニューヨーク、ブルックリンのバークレイズ・センターで、WBA世界ライト級王者ジェルボンテ・デービス(米)=30戦全勝(28KO)=の持つ王座に挑戦する事が決定済。
そして、WBA世界同級には昨年7月12日(日本時間13日)にロシア・セルプホフで、ジョノ・キャロル(アイルランド)=24勝(7KO)3敗1分=を9回TKOに破り、暫定王者となったアルベルト・バティルガジエフ(ロシア)=11戦全勝(8KO)=が存在。
WBAはバティルガジエフとローチによる王座統一戦を指令していたが、ローチ陣営はデービスとの対戦を優先させる為、WBAに対し例外承認を要請。WBAはバティルガジエフ陣営とも協議し、ローチ陣営の例外承認を一度限りとして、特別に承認。ローチがデービスに勝った場合、5日以内にスーパーフェザー級、ライト級どちらの王座を保持して行くかを決め、敗れた場合は120日以内にバティルガジエフと対戦する事を義務付けている。
また、2023年8月9日(日本時間10日)に米・フロリダ州プラント・シティで行われた挑戦者決定12回戦で、前王者のロジャー・グティエレス(ベネズエラ)=29勝(22KO)6敗1分=を8回終了TKOで破っている、オタール・エラノシアン(ジョージア)=14戦全勝(7KO)=が同級1位にランクされている。
エラノシアンはローチが指名戦を遂行した後に挑戦する事を義務付けられ、本来なら昨年中に指名挑戦が実現するはずだったが、ローチの指名戦スケジュールが滞り、その相手キャロルが暫定王座決定戦でバティルガジエフと対戦する事になったりと、待ちぼうけ状態が続き、グティエレス戦以降試合をしていない状況にあり、デービスvsローチ戦後も混迷は続きそう。