IBF世界ライト級王座決定戦。同級3位ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=17勝(11KO)3敗=vs同級2位ジョージ・カンボソスJr(豪)=21勝(10KO)2敗=。5月12日、オーストラリア・パース、RACアリーナ。36歳の元世界3階級制覇王者ロマチェンコが、敵地オーストラリアで世界王座復活を賭けた戦いに挑んだ。
ロマチェンコの後方は、デビュー以来のマネジャー、エギス・クリマス(リトアニア出身、米在住)。
地元での世界王座返り咲きのチャンスに気合が入るカンボソスJr。しかし、最初に世界王座を獲得した後、マネージメント&プロモーションは身内で固めるようになった。
カンボソスJrと契約し、この興行を主導する殿堂入りプロモーターのルーディベラ(米)。
試合開始。
初回の偵察戦。カンボソスJrはボディ狙い。ロマチェンコは動きながら左ストレート。
2回以降、スピードアップしたロマチェンコが速いパンチとテクニックで、試合の主導権を握って行った。
ロマチェンコはヒットを奪いながらも慎重に戦った。
6回、カンボソスJrは反撃の姿勢を見せ、ロマチェンコは一休み。
7回以降、プレスを強めたロマチェンコ。カンボソスJrは後手に回り厳しい戦いとなった。
第11ラウンド、カンボソスJrはスリップダウンの直後、ロマチェンコの左ボディアッパーでダウン。
再開後、ロマチェンコがすぐに左ボディで襲い掛かり、2度目のダウンを奪と、すかさず中村勝彦主審は試合をストップ。同時にカンボソスJrコーナーからはタオルが投げ込まれていた。ロマチェンコはしてやったりの表情。
TKOタイム11回2分49秒。
世界王座返り咲きを果たしたロマチェンコは涙。
10回までのスコアもロマチェンコが大きくリードしていた。
「カンボソスJrの動きは全て想定内だった」と語った新IBF王者ロマチェンコには、同級1位ウィリアム・セペダ(メキシコ)=30戦全勝(26KO)=が指名挑戦者として控える。しかし、ボブ・アラムは5月18日(日本時間19日)に米・カリフォルニア州サンディエゴで開催される、エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)=38勝(31KO)1敗1分=と、同級2位デニス・ベリンチク(ウクライナ)=18戦全勝(9KO)=によるWBO王座決定戦勝者との対戦を示唆。今後に注目。