6月14日(日本時間15日)、米・ニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデン・シアター。マッチルーム・ボクシング興行メインイベント。IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ。王者リチャードソン・ヒッチンズ(米)=19戦全勝(7KO)=に、元WBO、IBF世界ライト級&WBAスーパー王者で同級3位にランクされるジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)=22勝(10KO)3敗=が挑戦。

昨年12月7日(日本時間8日)にプエルトリコ・サンファンのロベルト・クレメンテ・コロシアムで、リアム・パロ(オーストラリア)=25勝(15KO)1敗=を12回判定で破り王座を獲得したヒッチンズは、地元リングで初防衛戦に臨む。

昨年5月に行われたワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=18勝(12KO)3敗=とのIBF世界ライト級王座決定戦で、11回TKO負けを喫したカンボソスJrは、昨年11月にマッチルーム・ボクシングと共同プロモート契約を締結。3月22日にオーストラリア・シドニーのクドスバンク・アリーナで、ジェイク・ウィリー(オーストラリア)=16勝(15KO)2敗1NC=を12回判定で破り再起に成功した。

リングアナウンサーは、デビッド・ディアマンテ(米)。

初回、ヒッチンズは良く伸びるジャブから、速いワン・ツーを打ち込みカンボソスJrの前進をストップ。

立ち上がりからヒッチンズが主導権を握った。


カンボソスJrはジャブから突破口を開こうとするが、僅かに届かない。


ヒッチンズの右ストレートがカンボソスJrを捕らえる。

第3ラウンド、カンボソスJrはセコンドが指示していたジャブから、テオフィモ・ロペスからダウンを奪った右フックに繋げ、積極的に出る。


第5ラウンド、左ボディでカンボソスJrの動きを止めたヒッチンズは、カンボソスJrの肩越しに右ストレートを叩き込み連打で追い込んだ。

疲労の色が感じられるカンボソスJr。

カンボソスJrの動きを読み取ったヒッチンズは自信の表情。

ヒッチンズは右を狙い打ち。

カンボソスJrも必死の抵抗を見せるが、ヒッチンズは下がらない。

ヒッチンズの右ストレートに続く左フックがヒット。


第8ラウンド、ヒッチンズは接近すると左アッパーを突きあげ、左ボディ。


ヒッチンズの右打ち下ろしからの強烈な左ボディを喰ったカンボソスJrはキャンバスへ落下。


何とか立ち上がったカンボソスJrだが、ダメージは甚大でマイケル・グリフィン(カナダ)主審は試合をストップ。カンボソスJrはワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)戦と同じく、ボディブローで敗れた。

TKOタイム8回2分33秒。

7回までのスコアはジャッジ三者が揃ってヒッチンズのフルマークとしていた。

ヒッチンズは初防衛に成功。試合後のリング上にはWBO世界同級王者テオフィモ・ロペス(米)=22勝(13KO)1敗=が登場。そして、ヒッチンズはフリーエージェントを宣言。ビッグファイトを求めている事をアピールし、デビン・ヘイニーとその父ビルを罵倒。ニューヨークのファンから喝さいを浴びた。
2022年からヒッチンズと契約し、これまで投資して来たマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンは、ヒッチンズのフリーエージェント宣言に対し不快感を表しながら、「彼はいい子なんだ。彼は悪くない。取り巻きが悪すぎる」と、ヒッチンズ自身を責める事はしなかった。
そして、”リヤド・シーズン”を推進する、サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣から電話があった事を明かし、「彼はリチャードソン・ヒッチンスに関して、今後はマッチルームとしか契約しないことを確認した」と話し、今後について話し合いを行う意向を示している。