5月11日に東京・大田区総合体育館で開催された、WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ。王者フェルナンド・”プーマ”・マルティネス（アルゼンチン）＝17戦全勝（9KO）＝に、前WBA世界同級王者で、現在6位にランクされる井岡一翔（志成）＝31勝（16KO）3敗1分＝選手が挑戦。約10ヶ月ぶりのダイレクトリマッチで、王座奪回を目指した。
WBAのべルトを持つのはマルティネスのプロモーター、元世界2階級制覇王者のマルコス・マイダナ（アルゼンチン）。
上写真左から、日本プロボクシング協会・小林昭司（セレス小林）会長、WBA立会人はホセ・オリバ―・ゴメス（パナマ）、日本ボクシングコミッション萩原実コミッショナー。
須藤尚紀リングアナウンサー。
試合開始。マルティネスが積極的に打って出てスタート。井岡選手はディフェンスを固め左ボディを狙った。
マルティネスもすかさず左ボディを打ち返す。
井岡選手の左フックがタイミングよくマルティネスを捕らえる。
前進するマルティネスは強い右ストレートを井岡選手に打ち込む。
井岡選手も右カウンターを返した。
左ボディを放つマルティネス。井岡選手は右アッパーを合わせた。
マルティネスは持ち前の攻撃的ボクシングで井岡選手を押し込む。
試合はいよいよ終盤戦へ。
プレスを掛け前進するマルティネスに対し、井岡選手は下がらず、ジャブ、左ボディ。
激しい攻防戦が続いた。
第10ラウンド、井岡選手の左ボディを貰いながらも打って出るマルティネスに、井岡選手の左フックがカウンターで決まりダウンを奪う。
再開後、井岡選手はラッシュ。
マルティネスは反撃の姿勢を取り前進。しかし、井岡選手は一歩も譲らず激しく打ち合った。
最終ラウンド。マルティネスは強引に出て左右フックを振り回す。井岡選手も打ち合いに応じ、最後は両者ノーガードで試合終了まで打ち合った。
試合終了。健闘を称え合う両選手。素晴らしいファイトでした。そして勝者は、マルティネス。レフェリーはルイス・パボン（プエルトリコ）。
公式スコアはロバート・ホイル（べい）117-110、ラウル・カイズSr（米）115-112、ベンス・コバックス（ハンガリー）114-113で、いずれもマルティネス。
激戦を制したマルティネスは「バムと王座統一戦をしたい」と、、７月19日（日本時間20日）に米・テキサス州フリスコのフォード・センターで開催される、WBC世界スーパーフライ級王者ジェシー・”バム”・ロドリゲス（米・帝拳）＝21戦全勝（14KO）＝と、WBO世界同級王者ブメレレ・カフ（南アフリカ）＝11勝（8KO）無敗３分＝による王座統一戦で、ロドリゲスの勝ちを予測し対戦を希望した。
惜しくも王座奪回ならなかった井岡選手は、試合後、「負けたことは素直に悔しいが、全力は出せた。やり切った気持ち」と、すがすがしい表情で語り引退は否定。
初戦での経験を活かした戦い方は見事で、それを実行できた実力もある。「この試合に全てを懸けてきたので、先の事は考えられない」としたが、今後はバンタム級に上げ、日本男子選手初の5階級制覇を目指す可能性も残されている。
