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堤 聖也 魂の前進 井上拓真を撃破! WBA世界バンタム級タイトルマッチ

WBA世界バンタム級タイトルマッチ。王者井上拓真(大橋)=20勝(5KO)1敗=vs同級3位 堤 聖也(角海老宝石)=11勝(8KO)無敗2分=。10月13日、東京・有明アリーナ。「PRIME VIDEO BOXING 10」。

立ち上がり、井上選手はジャブを軸に、左フック、右ストレート、アッパーをカウンターで合わせ、好スタートを切った。

しかし、堤選手は井上選手のパンチにひるむことなく前進。旺盛な手数で対抗。

ステップワークを使わず、正面から受けて立つ形となった井上選手は、堤選手に押し込まれ苦戦。

中盤、井上選手も左を軸に堤選手の前進をストップさせようと反撃。

ラウンドが進んでも堤選手の前進は止まらない。旺盛な手数で井上選手を押し込んだ第10ラウンド、堤選手の左フックでバランスを崩した井上選手が、後退し勢いよくロープにもたれかかる。

パンチによるダメージは感じられなかったが、池原信遂主審はスタンでィングダウンを宣告。8カウントを数えた。

ダウンで勢いを得た堤選手は11回も前進。井上選手を攻めた。

最終ラウンドも堤選手の勢いは衰えず、井上選手を押し込み、攻勢のまま試合終了ゴング。そして、勝者は堤選手。

日本人ジャッジ3人による公式スコアは、117‐110,115‐112、114-113で、いずれも堤選手。

人並み外れた頑強なファイトを演じ、世界王座を獲得した堤選手は、昨年12月には対戦相手の穴口一輝選手(真正)選手が帰らぬ人となるリング禍も経験。穴口選手への想いも含め、「僕の拳にはこれまで戦ってきたすべての対戦相手の想いが乗っている」という魂の原点を見せた、素晴らしい試合でした。日本人選手が独占する世界バンタム級タイトルホルダーとなった、堤選手の今後が楽しみです。

一方、敗れた井上選手は、「今後については休んでから考えたい」と話し、「判定を聞く前から負けたと思っていた。全てにおいて中途半端だった」と敗戦を受け入れた。本来のスタイルで戦えなかったのは、堤選手にさせてもらえなかったのか、それとも、強いと言われる勝ち方を目指した代償なのか。次戦で答えを出す事になるだろう。

boxing master

金元 孝男(かなもと たかお)。1960年生まれ、静岡県出身。元協栄ボクシングジム契約トレーナー 。ジャパン・スポーツ・ボクシング・クラブ・マネジャー。輪島功一選手の試合をテレビで観たばっかりに16歳で上京。プロボクシングの世界へ。1978年のプロデビュー。引退後はハワイの伝説のトレーナー、スタンレー・イトウ氏に師事。ハワイ・カカアコ・ジムで修行。協栄ジムでは元WBA世界スーパーバンタム級王者佐藤 修 、元WBA世界フライ級王者坂田健史らをアシスタント・サポ-ト。

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