前WBO世界スーパーウェルター級王者で、IBF世界同級10位にランクされるティム・チュー(オーストラリア)=24勝(17KO)2敗=の再起戦は、4月6日にオーストラリア・ニューカッスルのニューカッスル・エンターテインメント・センターで、ジョセフ・スペンサー(米)=19勝(11KO)1敗=を相手に行われる。

無敗の快進撃を続けていたチューは、昨年3月30日(日本時間31日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、セバスチャン・フンドラ(米)=21勝(13KO)1敗1分=との試合で、第2ラウンド終了間際に偶然のバッティングにより額をカット。以後、激しい出血に悩まされながらも12回を戦ったが、スプリットの判定負けで世界王座から陥落。

大番狂わせで初黒星を喫したチューだが、その敗因は2回にカットした額の傷口からの出血による、視界不良によるものだとの見方が強く、不運な敗戦からすぐに這い上がる事が期待されていた。

しかし、昨年10月19日(日本時間20日)に米・フロリダ州オーランドのカリブ・ロワイヤルで行われた、IBF世界スーパーウェルター級王者バカラン・ムルタザリエフ(ロシア/米・カリフォルニア州在住)=23戦全勝(17KO)=への挑戦試合では、王座返り咲きが期待されたが、4度のダウンを奪われ3回1分55秒TKO負け。よもやの惨敗を喫したチューの評価は、試合内容があまりにも悪く一気に下降した。

24歳のスペンサーは16連勝の勢いを駆って、2023年3月25日(日本時間26日)に米・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、WBA世界ウェルター級8位、IBF13位にランクされていたヘスス・ラモス(米)=22勝(18KO)1敗=と対戦したが、7回TKO負け。しかし、再起後は3連勝を飾っている。

30歳のチューは、地元ファンの前で絶対に負けられない一戦。復調していれば取りこぼす相手ではないが、ムルタザリエフ戦での戦いぶりがあまりにも悪く、不安要素も多い。3連敗は許されず、キャリアを賭けた一戦となる。