2月24日に東京・有明アリーナで開催された、『PRIME BOXING 11』のメインイベントで行われた、WBC世界バンタム級タイトルマッチ。王者”ビッグバン”・中谷潤人(M・T)=29戦全勝(22KO)=選手に、同級6位デビッド・クエジャール(メキシコ)=28戦全勝(18KO)=が挑んだ。

メキシコの有力プロモーターの二人が、揃ってクエジャールのサポートで来日。上写真左端はクエジャールの共同プロモーターのぺぺ・ゴメス。右端は同じくオスワルド・キュキュレ。

クエジャールのトレーナー、ホセ・レイノソは、カネロ・アルバレスのトレーナーであるエディ・レイノソの実父。元2階級制覇王者オスカー・ラリオス(メキシコ)らを育てた実績があり、クエジャールの王座奪取に自信を見せていた。

試合は初回からサウスポーの中谷選手が、いきなりの左ストレートをヒット。クエジャールはパンチを貰いながらも左フックを振り打って出た。

2回、ロングレンジから中谷選手の左ストレートがヒット。

クエジャールの左フックが中谷選手を捕らえる、試合後、中谷選手は右耳の鼓膜が破れていたと明かした。

第3ラウンド、強打を打ち込むタイミングを探る中谷選手は、接近戦で左ボディをから右フックへ繋ぎ、さらに左ボディからストレートをフォロー。クエジャールはたまらずキャンバスへ落下。キャリア初のダウンとなった。

再開後、クエジャールに迫った中谷選手が豪快に左フックを打ち抜くと、クエジャールは再びキャンバスへ崩れ落ちた。

クエジャールはそのまま動く事が出来ず、マイケル・グリフィン(カナダ)主審のテンカウントを聞いた。

KOタイム3回3分4秒。

左はデュェイン・フォードWBC立会人(米)。

試合後のリング上には、IBF世界同級王者西田凌佑(六島)選手が登場。中谷選手とグータッチを交わした。3度目の王座防衛成功から一夜明けた25日に都内のホテルで行われた記者会見で、中谷選手は「次に統一戦の気持ち」との意向を示し、西田選手との対戦が期待される。

IBFの承認が得られれば、6月にも首都圏で両者による王座統一戦が実現する見通しだが、西田選手に対しIBFが指令している、同級3位ホセ・サラス・レイエス(メキシコ)=15戦全勝(10KO)=との指名試合が、5月28日に日本で開催されるとの話もある。

レイエスは当初、入札により興行権を落札したフレッシュ・プロダクション興行で、前世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)=24勝(13KO)3敗1NC=と、昨年11月9日(日本時間10日)にプエルトリコ・バヤモンのルーベン・ロドリゲス・コロシアムで対戦が決まったが、ロドリゲスがケガにより出場をキャンセル。

IBFは新たに同級3位(1、2位は空位)チャーリー・エドワーズ(英)=20勝(7KO)1敗1NC=と、レイエスによる挑戦者決定戦を指令。入札により興行権は、サンプソン・リューコーイッツのサンプソン・ボクシングが、単独入札の2万5千ドル(約374万円)で落札に成功。試合は1月24日(日本時間25日)にレイエスの地元、メキシコ・ティファナで開催が予定されたが、エドワーズは英国から出る事を望まず、レイエスとの挑戦者決定戦への出場を辞退。

挑戦者決定戦の相手がいなくなったレイエスは、直接チャンピオンの西田選手への挑戦を指令される事になった。レイエスは、メキシコ・ティファナをホームリングとする22歳のサウスポーで、昨年12月にマーロン・タパレス(フィリピン)戦を前にした井上尚弥(大橋)選手のスパーリング・パートナーを務め、その実力は高く評価されている。今後の動向に注目。