5月3日(日本時間4日)、サウジアラビア・リヤドのザ・べニューで開催された、”リヤド・シーズン”のセミファイナル。WBC世界クルーザー級タイトルマッチ。王者バドゥ・ジャック(スウェーデン)=28勝(17KO)3敗3分=と、休養王者ノエル・ゲボール(アルメニア)=27勝(12KO)2敗=の一戦は、ジャックが判定勝ち。

41歳のジャックは約2年2ヶ月ぶり、34歳のゲボールは約1年6ヶ月ぶりと、共に長いブランクからの復帰戦となった試合は、ジャブの差し合いからスタート。序盤は足を使うゲボールが、右ストレートを交え手数で上回る。ジャックは右カウンターを狙う。

フットワークを使いながら、速いテンポで手を出すゲボールに対し、ジャックは6回、右ストレートを決め連打。ゲボールは軽打ながらまとめて手を出し、また動く。9回からジャックはプレスを強めるが、接近するとクリンチに阻まれる。10回、ジャックは右ボディストレートで追うが、ゲボールは接近するジャックに右ストレートをカウンター。

11回になると、共に決め手なく手を出しては揉み合うシーンが増える。最終ラウンドもゲボールは軽打をまとめて放ってはクリンチか射程外へ。ジャックにも決め手なく、終了間際にはゲボールの左フックを受けた。スコアは115-113、115-113、114-114。

リヤド・シーズンのポスター

スーパーミドル級12回戦。元WBO世界スーパーウェルター級王者で、WBC世界スーパーミドル級5位、IBF8位、WBO9位にランクされるハイメ・ムンギア(メキシコ)=44勝(35KO)2敗=と、IBF、WBO世界同級6位ブルーノ・スラース(フランス)=26勝(5KO)無敗2分=のダイレクトリッマチは、ムンギアが判定勝ち。

両者は昨年12月14日(日本時間15日)にメキシコ・ティファナで対戦し、圧倒的有利と見られていたムンギアが、2回にダウンを奪いながらも、まさかの6回逆転KO負け。チーム・カネロに加入したムンギアは、汚名返上を賭けた再戦。初回、ムンギアはガードを高く上げ、ほとんど手を出さず、慎重な立ち上がり。対するスラースは初戦のKOパンチである右ストレートを打ち込んだ。

3回に入り徐々に手数を増やしたムンギアはジャブ、右ストレート、左ボディ。スラースはジャブを放ち、右のタイミングを計る。5回、ムンギアがプレスを強めると、スラースはロープを背にする場面が増えるが、ムンギアは深追いせず、手数も多くはない。

ムンギアvsスラース2

6回、スラースはバックステップを踏むムンギアの肩口に右を放つ。ヒットはしなかったが、前戦を思わせる怖いタイミングだった。ムンギアはまだ攻め口を見つけられない。7回、どちらも譲らない展開。終了間際、ムンギアは連打をみせたが、スラースも左から右を返した。

8回、手数でムンギアだが、スラースのブロックは固く、クリーンヒットは奪えない。9回、先手を取るのはムンギア、スラースはブロックしながら右を狙い、終了間際に一発合わせた。10回、11回と出て来ないスラースにムンギアは攻勢をかけ、打っては離れる。

最終ラウンドもムンギアは深追いせず、慎重に戦い試合終了。スコアは117-111、117-111、116-112。勝つ事に徹したボクシングで再起戦に勝利したムンギアの復調ぶりは、次戦を見てという事になるだろう。

ヘビー級10回戦。WBC、IBF世界ヘビー級3位、WBO12位エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)=20勝(14KO)1敗=と、WBC世界同級4位、WBA6位、IBF10位マーティン・バコレ(コンゴ)=21勝(16KO)2敗=の一戦は、どちらも決め手を欠き10回引き分け。スコアは96-94アジャグバと、95-95、95-95。

ジャブの差し合いから右のビッグパンチを狙う両選手。試合が動いたのは3回、アジャグバが速い右ストレートを打ち込むと、バコレも左フックを返した。4回、バコレはアジャグバをロープ際に押し込み左フックをヒット。ロープを背にしたアジャグバは右ストレートを狙った。

バコレvsアジャグバの攻防

6回からアジャグバはフットワークを使い動いてジャブ、右ストレート。追うバコレの右ストレート、左フックは届かない。8回、バコレは打って来いとアジャグバを誘い、距離が詰まると左右フック、アッパーをまとめた。9回、10回と動くアジャグバはジャブ、右ストレートを伸ばすが手数は少ない。バコレは数が少ないながらも鋭いパンチで押し込み、連打する場面を作り試合終了。

バコレは2月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで、2日前に決まった代打出場でWBO世界ヘビー級暫定王者ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)=36勝(25KO)3敗=の持つ王座に挑戦したが、ショッキングな2回TKO負けを喫して以来の再起戦だった。

ライトヘビー級6回戦。カネロ・アルバレスのスパーリングパートナーを務めるブラヤン・レオン(キューバ)=6戦全勝(6KO)=と、アーロン・ゲレーロ(メキシコ)=11勝(7KO)3敗1分=の一戦は、レオンが初回から速いフリッカージャブ、右ストレートを軸に左ボディ、右カウンターを交え主導権を握り、4回には左フックでダウンを奪ったが、ゲレーロも良く喰い下がり6回終了。レオンが危なげない勝利を飾った。

WBO世界クルーザー級13位リチャード・リアクポルヘ(英)=17勝(13KO)1敗=のヘビー級転向第一戦。ケビン・ニコラス・エスピンドラ(アルゼンチン)=9勝(4KO)9敗=とのヘビー級8回戦は、第4ラウンドに左ボディでダウンを奪ったリアクポルヘが4回終了TKO勝ち。

2024年パリ五輪ウェルター級銀メダリストのマルコ・ヴェルデ(メキシコ)のプロデビュー戦。ミシェル・ポリーナ(メキシコ)=4勝(2KO)5敗3分=とのミドル級6回戦は、初回、2度のダウンを奪ったヴェルデが1分34秒TKO勝ち。