5月4日(日本時間5日)、米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催された、トップランク興行のメインイベント。4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=29戦全勝(26KO)=選手に、WBA世界同級1位、IBF8位、WBO10位のラモン・カルディナス(米)=25勝(14KO)1敗=が挑んだタイトル戦は、井上選手が8回45秒TKO勝ち。
初回、開始早々、井上選手は軽い連打でカルディナスを威嚇。ガードを高く上げ警戒するカルディナスに、井上選手はジャブを放ち右ストレート。2回、カルディナスの右ストレートで井上選手は鼻から出血。終了間際、カルディナスの左フックで井上選手がまさかのダウン。ここは立って終了ゴングを聞いたが、ネリ戦と同じようなタイミングで研究されている。

3回、井上選手にダメージは感じられない。ジャブから右へ繋ぎ、カルディナスに迫るが、カルディナスは右ストレ―ト、左フックを強振。4回、井上選手はジャブを放ち、カルディナスのガードの隙間を探る。左ボディを決め、右ストレートを喰い後退したカルディナスだが、井上選手の打ち終わりに合わせ左フックを放つ。
5回、井上選手のジャブでカルディナスは後退。井上選手はカウンターを警戒しながら、右を打ち込む機会を伺う。井上選手が接近すると、カルディナスは左フックを強振。怖いパンチだ。
6回、井上選手のジャブ、左ボディを喰いながらもカルディナスは引かずにカウンターを狙う。井上選手の右ストレートが決まりカルディナスは後退。連打から左ボディを効かせダウン寸前に追い込む。井上選手はさらに追撃するが、カルディナスは左右フックを強振し抵抗。

7回、井上選手は右ストレートをヒット。よろけたカルディナスをすかさず追撃し、左ボディを決めるとカルディナスは大きく腰を落とすが、ダウンは拒否。しかし、井上選手はさらに連打でカルディナスに襲い掛かり、右ボディを効かせ、右ストレートの連打を打ち込むと、カルディナスはついにダウン。
8回、ダメージを蓄積させながらもカルディナスはあきらめていない。しかし、井上選手は右ストレート決めると一気にカルディナスに詰め寄り、連打から右アッパーを決め、さらに右を追撃。懸命にこらえていたカルディナスだが、トーマス・テイラー(米)主審が割って入り試合はストップ。
終わってみれば井上選手の強さが改めて浮き彫りにされたが、カルディナスは井上選手をよく研究し、危険なタイミングをチャンスに変える勇気を見せた。