5月10日(日本時間11日)米・カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ アリーナで開催された、WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチで、王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)=40勝(32KO)2敗1分=に、8回1秒負傷判定で敗れた同級1位チャーリー・スアレス(フィリピン)=18勝(10KO)1敗=は、この裁定を不服としてカリフォルニア州コミッションに提訴。

スアレスは12日(日本時間13日)付けで、カルフォルニア州コミッションに対し、試合の結果をTKO勝ちとするか、ノーコンテストとするかを求めている。

この試合はナバレッテが第6ラウンド開始早々に左目上をカット。エドワード・コランテス(米)主審は偶然のバッティングによるものとして試合を続行。第8ラウンド開始早々、ドクターチェックが行われ、コランテス主審はドクターの勧告に従い試合を停止。勝敗は負傷判定に委ねられた。

Emanuel Navarrete vs Charly Suarez

ナバレッテの負傷はパンチによるものではないかという意見があり、リング下ではリプレイ検証が行われ、判定結果が出るまでに長い時間を要したが、この段階でのリプレイ映像では、ナバレッテの負傷がスアレスの有効なパンチによるものだとは確定できず、ジャッジによるスコアリングにより勝者が決定され、パット・ラッセル(米)78-75、ルー・モレット(米)77-76、フェルナンド・ビジャレアル(米)77-76の3-0判定でナバレッテが勝利。

しかし、試合後、ESPNが別角度から編集したリプレイ映像から、スアレスの左がナバレッテの左目上を痛打している場面が確認された事から、カリフォルニア州コミッションは、ESPNの動画を再検証する事を決定。試合結果を再審査する意向をまとめ、試合結果を変更する可能性がある事が報じられていた。

https://twitter.com/trboxing/status/1921416226108027287

スアレスからの提訴を受けたカリフォルニア州コミッションは、6月2日(日本時間3日)に改めて審理する事を決定。WBOのグスタボ・オリビエリ会長は、カリフォルニア州コミッションによる裁定を待ち、再試合を命じる可能性がある事を示唆。

試合結果はノーコンテストとされる可能性が高く、勝敗が変わらなかったとしても再戦が命じられる事は必至とみられる。スアレスは「もう少し時間があれば、彼を倒すことが出来た」と断言。再戦に強い意欲を見せている。

一方、試合では減量失敗によるコンディション不良が感じられたナバレッテは、傷の回復まで相当の時間を要すると見られ、再戦には否定的な姿勢を見せている。