5月14日(日本時間15日)、オーストラリア・シドニーのホーダーン・パビリオンで開催された、ノーリミット・ボクシング・プロモーション興行のメインイベントに、IBF世界スーパーバンタム級1位、WBO2位、WBC4位のサム・グッドマン(オーストラリア・56.14キロ)=19戦全勝(8KO)=が登場。

グッドマンは昨年12月14日に行われたスパーリングで左瞼を4針縫う裂傷を負い、10日後に控えていた4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手との試合は延期され、1ヶ月スライドして行われる事になったが、1月11日のスパーリングで同じ箇所を再び負傷。

今度は14針縫う事態となり、井上選手への挑戦を正式に辞退。傷口の形成手術を受けたグッドマンは、全治6ヶ月と伝えられていたが、予想より早くリングへの復帰が決まっていた。

2023年6月に来日し、井上選手のスパーリング・パートナーを務めた経験を持つ、WBC世界バンタム級21位にランクされるWBC FECARBOX(中央アメリカボクシング連盟)バンタム級王者セサール・バカ(メキシコ・56.06キロ)=19勝(12KO)1敗1分=と対戦したグッドマンは、10回判定勝ちを収めた。スコアは100-90、99-91、99-92。

Sam Goodman

試合はグッドマンが安定した試合運びで勝利したが、偶然のバッティングにより、井上選手への挑戦をキャンセルする事になった原因となった左瞼をカット。

グッドマンのプロモーターであるノーリミット・ボクシングのマット・ローズは、井上選手との試合が消滅した後、「明らかに彼(グッドマン)の皮膚が柔らかいからだ」と語り、「傷口の形成手術を受けさせる。今後、6ヶ月間は試合への出場は出来ないだろう」と話していた。

試合後のリング上で井上選手への挑戦が消滅した後、落ち込んだ自らをサポートしてくれたスタッフらへの感謝の言葉を述べたグッドマンはリング上で涙し、世界挑戦の実現を誓ったが、古傷が開いたことを不安視する声もあり、また、王者井上選手のスケジュールは先まで決まっており、世界戦実現までは時間がかかりそう。

セミファイナルには東京五輪ライト級銅メダリストのハリー・ガーサイド(オーストラリア)=3戦全勝(2KO)=が約3年ぶりにリング登場。スーパーライト級6回戦で、チャーリー・ベル(オーストラリア)=5勝(2KO)1敗=を5回終了TKOで破っている。