8月16日(日本時間17日)にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催された、リヤド・シーズンのメインイベントで、元WBC世界ヘビー級暫定王者ディリアン・ホワイト(英)=31勝(21KO)4敗=を初回1分59秒TKOで撃破した、WBO世界同級1位、WBA2位、IBF6位、WBC11位にランクされる、20歳のヘビー級KOセンセーション、モーゼス・イタウマ(英)=13戦全勝(11KO)=を、プロモーターのフランク・ウォーレンは、現時点でモーゼス・イタウマは自身がプロモートしてきた全てのボクサーの中で、最も際立っていると評価。
9歳からボクシングを始めたイタウマは、2017年2月にマチュアデビュー。2022年11月にスペイン・アリカンテで行われた世界ユース選手権で金メダルを獲得。アマ戦績24戦24勝(11KO)無敗の記録を残し、2023年1月、初回僅か23秒KO勝ちでプロデビュー。初回KO勝ちが8度、2回KOが3度という勝ち味の速さで、これまで経験したラウンドは合計26ラウンドしかない。
イタウマには早々、4団体統一世界ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)=24戦全勝(15KO)=へ挑戦の期待が高まっており、リヤド・シーズンを主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣は、「ウシクvsイタウマ」を観たいと宣言。ウシクに2敗を喫しているタイソン・フューリー(英)は、「イタウマはウシクを一方的に打ち破る」と明言し、「この階級にいる全ての老練なファイターたちを打ちのめすだろう」としている。

しかし、イタウマのマネジャー、フランシス・ウォーレンとクイーンズベリー・プロモーションは、ウシク挑戦まであと2試合キャリアを積ませることを示唆。「あと一人、そして12月には大物が欲しい」と今後のプランに付いて言及。次戦相手の一番手には、ホワイト(0-2判定負け)、アンソニー・ジョシュア(0-3判定負け)と、いずれも12回を戦った元世界ランカーの、ジャーメイン・フランクリン(米)=23勝(15KO)2敗=の名前が挙げられている。
4団体統一王者ウシクは、7月23日(日本時間24日)付けでWBOから暫定王者ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)=36勝(24KO)3敗=とのWBO王座統一戦を指令された。しかし、ウシクは背中のケガを理由に交渉期間の延期を要請。WBOはウシク陣営に対し医療証明書の提出を求めている。8月23日(日本時間24日)までの交渉期限が延長されるかどうかは、今のところ結論が出ていない。パーカーはイタウマと同じくクイーンズベリー・プロモーションに所属で、今後はウシク戦の実現を待つ形になる。
そして、12月に予定されるイタウマの対戦相手には、8月16日(日本時間17日)のアンダーカードで、デヴィッド・アデレイ(英)=14勝(13KO)2敗=に10回判定勝ちを収めた、WBO世界同級2位、WBA5位、WBC6位、IBF12位にランクされるフィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)=19勝(14KO)1敗=が浮上。フルコビッチもクイーンズベリー・プロモーションとプロモート契約を結んでおり、実現の可能性は高いと見られている。