8月23日(日本時間24日)、米・フロリダ州オーランドのカリビ・ロイヤル・オーランドで開催された、モスト・バリュアブル・プロモーション(MVP)興行のセミファイナル。WBA世界スーパーウェルター級暫定タイトル戦。王者ヨエニス・テレス(キューバ)=10戦全勝(7KO)=に、同級1位アバス・バロウ(ドイツ)=16勝(9KO)1敗=が挑んだ一戦は、バロウが判定勝ち。
初回、サウスポーのテレスはジャブで距離を取る慎重なスタート。バロウは右ストレートを上下に放ち肉薄。ボディからの連打を見せた。2回、バロウはガードを高く上げ前進。ボディ攻撃から右ストレート。テレスは右フックを合わせ、右アッパーを突きあげる。
3回、前に出るバロウは接近するとボディ打ちから右ストレート、左フック。距離を取ろうとするテレスは、スイッチを織り交ぜジャブ。4回、バロウは距離を潰し左ボディから右フック。応戦するテレスは左右アッパーで迎え撃った。5回、テレスのジャブをかいくぐり接近すると、バロウはボディから上へ連打。
6回、バロウは機を観て飛び込んでは左右フック、アッパーとしつこく手を出す。テレスはロープを背にする時間が長い。7回、テレスはオーソドックススタイルからジャブ、左ボディ、アッパー。終盤、バロウは前進。距離を詰めた打ち合いで右アッパーをヒット。
8回、テレスがジャブで距離を取るが、接近するとバロウはしつこく連打。右アッパー、左フックが見栄えよく決る。9回、接近戦での打ち合い。ボディを叩き合い、左右アッパーを突き合うなか、バロウの左フックがクリーンヒット。10回、テレスがジャブからボディを叩き、連打で攻勢に出る。しかし終盤、バロウも連打で応戦。激しく打ち合う。
11回、テレスはジャブを突きバロウが接近すると左右アッパーで迎撃。バロウの攻勢をうまくコントロール。最終ラウンド、バロウがプレスを強め前進。連打でテレスに迫るが、テレスも回転の速い連打で応戦。しかし、ラスト1分、バロウの左フックがヒット。テレスの膝が揺れる。襲い掛かるバロウにテレスも打ち返し激しい打ち合いとなったが、バロウはしつこいショート連打で前進。左フックが決まるとテレスはダウン。立ち上がり、終了ゴングを聞いた。好ファイト。
公式スコアは117-110、116-112、115-112。予想を覆しバロウが王座を獲得。試合後のリング上にはWBO世界同級王者ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)が上がり、新王者を祝福。今後の対戦が期待される。

WBA女子世界ライト級タイトルマッチ。王者ステファニー・ハン(米)=10戦全勝(3KO)=に、WBA女子世界スーパーフェザー級4位パウリーナ・アンヘル(コロンビア)=7勝(3KO)1敗2分=が挑んだ一戦は、ハンが判定勝ち。
初回、アンヘルの右ストレートでハンがダウンを喫する波乱のスタート。2回、共に右ストレート、左フックを振り合う打ち合いは、ハンの正確性が上回る。3回、ハンの逆ワン・ツー、左フックがアンヘルを捕らえる。4回、偶然のバッティングでハンが左目上をカット。アンヘルが連打で攻め込むがヒットは奪えない。
5回、前に出るアンヘルに対し、ハンは足を使いジャブで距離を取る。6回、アンヘルがジャブ、右ストレート、左フックで攻め込む。ハンは動いてジャブだが、下がる分見栄えが悪い。7回、ワン・ツー・スリーで攻め込むアンヘルに対し、ハンはジャブ、右ストレートをヒット。
8回、ジャブ、右ストレートで前に出るアンヘルの攻勢を、ハンは動いて交わしジャブ。9回、前進のアンヘル、迎え撃るハン。接近し、もつれ合うシーンが増える。10回、ジャブを突き前に出るアンヘルの連打は正確性に欠けるが、合わせて撃つハンのパンチもクリーンヒットはない。共に決め手を欠いて終了ゴングを聞いた。公式スコアは98-91×3。