9月13日(日本時間14日)に米・ラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催される、WBC、WBO、IBF&WBAスーパー世界スーパーミドル級4団体統一王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)=63勝(39KO)2敗2分=に、2階級で4団体王座統一を成し遂げた、WBA世界スーパーウェルター級王者テレンス・クロフォード(米)=41戦全勝(31KO)=が挑むタイトル戦は、前日計量を両者共に167.5ポンドでクリアし、いよいよ試合開始ゴングを待つばかりとなった。審判団はレフェリー、トーマス・テイラー(米)。ジャッジはティム・チータム(米)、スティーブ・ワイスフェルド(米)、マックス・デルーカ(米)。

いきなり2階級を上げて来たクロフォードはパワー不足が懸念されていたが、計量の様子からは見事にビルドアップされた肉体が見られ、「ひょっとしたら」の期待は膨らみつつある。クロフォードが勝てば、男子選手としては史上初の3階級での4団体王座統一となる。

Fight gloves

NFLラスベガス・レイダーズの本拠地であり、約6万5千人の収容力を誇るアレジアント・スタジアムは満員となる事が確実で、1982年6月にシーザーズ・パレスの仮説屋外スタジアムで行われたWBC世界ヘビー級タイトルマッチ。王者ラリー・ホームズ(米)に、ホワイト・ホープ、ジェリー・クーニー(米)が挑んだ一戦で記録した、2万9214人のラスベガスでの観客動員記録を大幅に塗り替える事になる。

ゲート収入はメイウェザーvsパッキャオの7220万ドル(約106億5820万円)、メイウェザーvsマクレガーの5540万ドル(約81億7820万円)に次ぐ、プロボクシング史上三番目になる事を、試合をプロモートするUFC会長で、TKOボクシング・プロモーションを立ち上げたダナ・ホワイトが明らかにし、カネロの報酬は最大で1億5000万ドル(約221億4300万円)になると伝えられている。

wbc_Nahui Huey Altepemeh_Crown Series Undisputed Championship ring

WBCは恒例となっている記念の特別ベルト、”ナウイ・ウエ・アルテペメ”と、時価10万ドル以上という豪華な宝石が散りばめられた、WBCクラウンシリーズ統一王座リングを勝者に贈呈。リング・マガジンも「これまでで最も高価なベルト」という製作費18万8000ドル以上という特別ベルトを制作し、勝者へ贈られる。

プロボクシングへの初進出となるホワイトは、本格的にプロボクシングに参入するためにモハマド・アリ法の改正をめぐり、プロボクシング関係者からは大反発を喰らっているが、試合まで1週間を切った段階で、WBCのマウリシオ・スライマン会長は、WBCが勝者にベルトを贈呈する際の信任状、座席の配置等に関し、一切の連絡がTKOグループからない事に対し、怒りを爆発させている。

公式行事で顔を合わせたサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣にも直接抗議したもの進展はなく、落胆したスライマン会長は、「たとえ警備員に阻止されても、僕はリングに上がる」と息巻き、大一番を前にリングの裏側では、ホワイト氏とプロボクシング業界の冷戦が浮き彫りにされている。