IBF世界ライト級1位アンディ・クルス(キューバ)=6戦全勝(3KO)=とプロモート契約を締結する、マッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンは、IBFが王者レイモンド・ムラタラ(米)=23戦全勝(17KO)=との指名戦対戦交渉を、10月2日(日本時間3日)付けで開始するよう命じた事を明かした。交渉期間は30日間で、対戦同意に達しない場合は入札となる。

ムラタラは5月10日(日本時間11日)に米・カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ アリーナで行われた、暫定王座決定戦で、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)=20勝(12KO)2敗=を12回判定で破り暫定王座を獲得。6月、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の引退、王座返上により正規王者に昇格した。

対するクルスは6月14日(日本時間15日)に米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催された挑戦者決定戦で、三代大訓(横浜光)=17勝(6KO)2敗1分=選手から3回に2度のダウンを奪い、第5ラウンド1分13秒TKO勝ちで挑戦権を獲得。

Andy Cruz

その後、IBFはムラタラに対し、2025年12月までに任意防衛戦を行う事を許可。2026年2月10日までに義務挑戦者であるクルスと対戦する事を命じていた。

エディ・ハーンとムラタラと契約するトップランクは、11月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで開催される”リヤド・シーズン”で、両者の対戦を実現させるべく交渉を進めたが、最終的にムラタラが報酬を不満として契約に同意せず流れていた。

ハーンは、「11月22日のカードで試合をする絶好のチャンスがあったのに、ムラタラは契約に合意できなかった。今度は入札で勝利し、1月に試合を開催したい」と、東京五輪金メダリストの秘蔵っ子クルスの世界挑戦試合開催へ意欲を見せている。

5月に行われたアブドゥラエフとの暫定王座決定戦でのムラタラのファイトマネーは、40万ドル(約5834万円)。王者となり危険なクルスと対戦するにはそれなりの報酬を希望するのは正当だが、トップランクは現在、ESPNに変わる新たな放送プラットホームを構築できておらず、交渉の主導権はマッチルーム・ボクシングが握る事になるだろう。