8月9日(日本時間10日)に入札の開催が予定されていた、WBO世界界フライ級王者アンソニー・オラスクアガ(米)=7勝(5KO)1敗=と、WBO世界ライトフライ級王座を返上し、同級1位にランクされるジョナサン・”ボンバ”・ゴンサレス(プエルトリコ)=28勝(14KO)3敗1分1NC=による指名戦は、両陣営が対戦同意に達した為。入札は回避された。

試合日時と開催地は近日中に発表されるが、ゴンサレスをプロモートし、オラスクアガを帝拳プロモーションと共同プロモートする、オールスター・ボクシングのフェリックス・サバラ氏は、「試合は10月中旬に日本で開催すべきだ」との考えを明らかにしており、10月日本開催の線が強い。

このカードが日本で単独で行われる事はなく、日本で開催される場合は、10月18日に日本(開催地未定)での開催が伝えられている、WBC世界フライ級王座決定戦。前WBC世界ライトフライ級&WBAスーパー(統一)王者の寺地拳四朗(BMB)=23勝(14KO)1敗=選手と、元WBC世界フライ級王者で同級1位にランクされるクリストファー・ロサレス(ニカラグア)=37勝(22KO)6敗=の一戦をメインとする興行に組み込まれる可能性が高いと見るが。

ゴンサレスは3月2日(日本時間3日)にプエルトリコ・サンフアンで、暫定王者レネ・サンチャゴ(プエルトリコ)=12勝(9KO)4敗=とのWBO王座統一戦で、試合巧者ぶりを発揮し12回判定勝ち、その後、6月15日(日本時間16日)にプエルトリコで、IBF世界同級王者シベナティ・ノンティンガ(南ア)=13勝(10KO)1敗=との王座統一戦開催が実現寸前までいったが頓挫。

ゴンサレスは地元での王座統一戦を実現したいという思いは残るが、希望する報酬との隔たりが大きかった事が、最終的に試合の断念に繋がったとしたが、決定寸前の最後にどんでん返しを喰らったノンティンガのマネジャー&トレーナ、コリン・ネイサンは、「時間の無駄だった」とゴンサレスを激しく非難。「彼とはもうこりごりだ」と、今後もビジネスを行わないと断言。

そして、ゴンサレスはライトフライ級王座を返上し、フライ級王座へ挑戦する道を選んだ。7月20日(土)に東京・両国国技館で行われた、加納 陸 (大成)=22勝(11KO)5敗2分=選手との王座決定戦で、3回2分50秒KO勝利を収め、新王者となったオラスクアガは、プロキャリアこそ浅いが、昨年4月8日、ピンチヒッターを買って出た寺地選手選手との試合で、9回TKO負を喫するも大善戦。

「7、8ラウンドくらいがメンタル的にもスタミナ的にもきつかった」と寺地選手に言わしめたオラスクアガは、昨年9月18日に東京・有明アリーナでWBO5位にランクされていたジーメル・マグラモ(比)=29勝(23KO)4敗=を7回TKOで破り再起に成功。加納戦でパワーの差を見せつけ王座獲得に成功した。

オラスクアガvsゴンサレス。試合巧者のゴンサレスが機動力を活かしたボクシングで2階級制覇を目指すが、怖さはないスタイルだけに、オラスクアガが欲を出して暴走しない限り、決め手の右ストレートを武器にパワーの差を見せつけると見る。正式決定が待たれます。