11月15日(日本時間16日)、米・テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで開催された、ホールデン ボクシング興行のメインイベント。米・テキサス州コミッションが公式戦として承認した、。2分8ラウンド、14オンス・グローブによるヘビー級8回戦。58歳の元3団体統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米)=50勝(44KO)4敗2NC=と、27歳の人気YouTuberボクサー、ジェイク・ポール(米)=10勝(7KO)1敗=の一戦は、ポールが判定勝ち。
タイソンは試合開始からプレスを掛け前進。飛び込んでパンチを放つがクリーンヒットはない。ポールの手数は少ない。2回以降、ポールは足を使いジャブ。3回あたりからタイソンの動きが落ちる。ポールはジャブ、左フック。そして右ストレートを狙う。4回、タイソンの手数がはっきりと減るが、ポールもそうは打たない。
頭は振るがステップインする足がないタイソンは、手数が減り、たまに打っても連打は打てず当たらない。ポールも右を上下に散らし、左フックを振るが無理はしない。結局、タイソンは何も出来ないまま、ポールも強引には出ないまま最終ラウンド終了。スコアは80-72、79-73、79-73。
変則ルールとはいえ、タイソンは約19年5ヶ月ぶりの公式ファイト。この対戦には賛否両論、様々な意見が飛び交ったが、興行的には大成功。約8万席用意されたチケット売り上げは、1780万ドル(約27億4千640万円)を突破。これは2021年5月に同会場で行われたカネロvsソーンダースの約2倍で、ラスベガスを除けば米国ボクシング史上最大となる。
女子世界スーパーライト級4団体統一戦 テイラーvsセラノ 2
138ポンドのキャッチウェイトで行われた、女子世界スーパーライト級4団体統一戦。統一王者ケイティ・テイラー(アイルランド)=23勝(6KO)1敗=に、WBO女子世界フェザー級王者アマンダ・セラノ(プエルトリコ)=47勝(31KO)2敗1分=が挑んだ再戦は、テイラーが判定勝ち。スコアは95-94×3。
雪辱に燃えるサウスポーのセラノは初回から積極的にアタック。テイラーは右カウンターを合わせた。接近戦での打ち合いとなり、序盤から両者の頭がぶつかる場面が多く、セラノは右目上をカット。6回には、またもや頭がぶつかりセラノの傷口が広がりドクターチェックが入った。
両者の激しい打ち合いは続いたが、8回、テイラーはヘッドバッドで減点1。最終ラウンド、セラノの左アッパーに対し、テイラーはコンパクトな連打で押し込み試合終了。今度も大激戦となったが、判定はテイラーに。しかし、セラノの勝ちを推す声も少なくない。
両選手は2022年4月に米・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのメインイベントで対戦。19,187人の観衆を集めた試合は、テイラーがスプリットの判定で勝利。放映したDAZNの視聴者は150万人を記録し、史上最も視聴された女子ボクシングファイトとなっていた。
WBC世界ウェルター級戦 バリオスvsラモス
WBC世界ウェルター級タイトルマッチ。王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗=に、同級8位アベル・ラモス(米)=28勝(22KO)6敗2分=が挑んだ一戦は、12回引き分け。スコアはマイク・ロス(米)116-110バリオス、ハビエル・アルバレス(米)114-112ラモス、ダグラス・ロビンソン(米)113-113。
圧倒的有利な予想でリングに登場したバリオスは、第2ラウンド、右ストレートで先制のダウンい快調に飛ばしたが、6回、ラモスの右ストレートで、今度はバリオスがダウン。ダメージを感じさせながらも再開に応じた王者陣営からは「油断するな!」の声が飛んだが、7回以降、ラモスの前進の前にバリオスは大苦戦。前半のリードを吐き出していった。両者顔面を腫らしながらの打撃戦は最後まで続いたが、バリオスが際どく王座防衛に成功。何とか面目を保った。
WBO女子世界スーパーミドル級王座決定戦。同級1位シャダシア・グリーン(米)=14勝(11KO)1敗=と、同級2位メリンダ・ワトプール(カナダ)=7戦全勝(2KO)=の一戦は、グリーンが判定勝ちで新王者。スコアは97-93、96-94グリーンと、96-94ワトプールのスプリット。
WBC世界フェザー級1位、WBA、WBO2位、IBF5位にランクされるブルース・キャリントン(米)=13戦全勝(8KO)=と、ダナ・クールウェル(オーストラリア)=13勝(8KO)2敗=の8回戦は、4回、8回と2度のダウンを奪ったキャリントンが判定勝ち。スコアは80-70×3。