オリンピック2大会連続の金メダリストで、元世界2階級制覇王者のギレルモ・リゴンドウ(キューバ)=23勝(16KO)3敗1NC=は、昨年11月12日(日本時間13日)に米・フロリダ州マイアミのE11EVENクラブで行われた、WBCインターナショナル・バンタム級王座決定戦で、ダニス・アグエロ・アリアス(ドミニカ)=20勝(17KO)3敗=を初回1分46秒、左ボディストレート一発でKO。約1年5ヶ月ぶりのリングで快勝した44歳のリゴンドウは現在、WBC世界スーパーバンタム級15位にランクされている。
2月1日(日本時間2日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、サウスポーのWBA世界ライトヘビー級レギュラー王者デビッド・モレル(キューバ)=11勝(9KO)1敗=との対戦を前にした、WBC世界同級暫定王者デビッド・べナビデス(米)=30戦全勝(24KO)=には、ジムワークでサウスポー対策を指導。
リゴンドウ自身も2月26日(日本時間27日)にフロリダ州ハイアリアで、復帰第2戦が予定されていたが、対戦相手が決まらず、試合はキャンセルとなっている。
リゴンドウがこれまでの戦いで得たファイトマネーの最高は、2017年12月9日(日本時間10日)に米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで行われた、2階級上だったWBO世界スーパーフェザー級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)への挑戦試合で得た100万ドル(最低保証)。
しかし、2019年1月13日(日本時間14日)に米・ロサンゼルスのマイクロソフト・シアターアで行われた、ジョバンニ・デルガド(メキシコ)との再起戦では、僅か2万5千ドルだった。
2021年8月14日(日本時間15日)に米・カリフォルニア州カーソンのディニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われた、WBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の持つ王座に挑んだ試合では、カシメロの17万5千ドル(約1920万円)を上回る20万ドル(約2190万円)を得たが、試合はカシメロの攻勢の前にスプリットの判定負け。

2022年2月26日(日本時間27日)にUAE・ドバイのドバイ・マリーナで行われた再起戦では、伏兵ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)にダウンを奪われ、まさかの判定負け。翌年、再起に成功したが、昨年4月にはベア・ナックル・ファイティング・チャンピオンシップ(BKFC)転向を表明。何度か試合が組まれたが、その度に直前になり対戦相手から逃げられ試合が出来ず、結局、ボクシングに戻って来た。
世界ランク復帰を果たしたリゴンドウは、「2025年、井上尚弥とのビッグイベントを狙いたい」とコメントしているが、井上選手のスケジュールにはリゴンドウと戦う余裕はない。しかし、バンタム級でもやれるというリゴンドウは、世界バンタム級王座を独占する4人の日本人王者と戦っても、面白い組み合わせにはなる。
44歳となったが、常にトレーニングを欠かさず臨戦態勢にあるリゴンドウ。またしても試合枯れで、このまま終わってしまう可能性も否定できないが、もう一度、世界戦の舞台で観たい気もする。今後の動向に注目したい。