2016年7月16日(日本時間17日)、英・カーディフのアイス・アリーナ・ウェールズで、WBA世界スーパーバンタム級スーパー王者ギレルモ・リゴンドウ(キューバ)=23勝(16KO)3敗=の持つ王座に挑んだ、同級10位ジェームス・”ジャザ”・ディケンズ(英)=36勝(15KO)5敗=は、第2ラウンド、リゴンドウの強烈な左ストレートを喰らい顎を骨折。
2回が終了するとディケンズは顎に異変を訴え、試合はあっさりと終了。全く何も出来ないまま世界初挑戦に敗れたディケンズは翌日手術を受け、次にリングに上がるまで約10ヶ月を擁する事になるが、翌年5月に行われたトーマス・パトリック・ウォード(英)=34勝(5KO)2敗1分=との再起戦でも、9回負傷判定で敗れた。
34歳のディケンズが世界をアッと言わしめたのは、昨年7月2日(日本時間3日)にトルコ・イスタンブールで、東京五輪フェザー級金メダリストで12戦全勝(8KO)のレコードを持つ、WBA世界スーパーフェザー級暫定王者アルベルト・バティルガジエフ(ロシア)へ挑んだ一戦。

5敗のうち4つがKO負けというディケンズは、手ごろな”咬ませ”役と見られ、予想は圧倒的に不利だったが、初回から不調のバティルガジエフを攻め、第4ラウンドに2度のダウンを奪うと王者コーナーから白いタオルが投入され、2分26秒KOで王座を奪取。プロデビュー14年目での快挙達成だった。
この殊勲の白星によりディケンズの人生は大きく変わる。同級レギュラー王者ラモント・ローチ(米)=25勝(10KO)1敗3分=の王座剥奪により、レギュラー王者に昇格するという運にも恵まれたディケンズは、昨年12月27日にサウジアラビア・リヤドで、同級3位堤駿斗(志成)=8戦全勝(5KO)=選手の挑戦を受ける事が決まるが、堤選手は右眼窩底骨折により試合をキャンセル。
世界王者としてビッグマネーを得る機会を失ったディケンズにすぐに接近したのが、英国を代表するプロモーターでクイーンズベリー・プロモーションを運営するフランク・ウォーレン。

傘下の前IBF世界スーパーフェザー級王者で同級7位にランクされるアンソニー・カカス(アイルランド)=24勝(9KO)1敗=との対戦をまとめたウォーレンは、ディケンズともプロモート契約を締結。
3月14日(日本時間15日)にカカスの故国アイルランド・ダブリンの3アリーナで行われる初防衛戦は、アイルランドの守護聖人で、「アイルランドの使徒」と呼ばれる聖パトリックの祝日に合わせたイベントで、DAZNにより世界各国へ配信され、ディケンズにはレギュラー王者として高額なファイトマネーが約束されている。
ジョー・コルディーナ(英)=19勝(9KO)1敗=、ジョシュ・ワーリントン(英)=32勝(英)4敗1分=、リー・ウッド(英)=28勝(17KO)4敗=と、ここ3戦連続で元世界王者に勝利しているカカスは手強い挑戦者だが、ディケンズがここを突破すると、負傷から癒えた堤選手との対戦が期待される。予想はカカス有利となっているが、果たして。
