8月17日(日本時間18日)、カナダ・ケベックシティのビデオトロン・センターで開催されたトップランク興行のメインカード。WBC米大陸&WBAインターナショナル・スーパーミドル級タイトルマッチ10回戦。王者でWBC世界同級1位、WBA2位、IBF、WBO3位のクリスチャン・ムビリ(フランス)=27戦全勝(23KO)=に、WBC7位セルゲイ・デレイビャンチェンコ(ウクライナ)=15勝(10KO)5敗=が挑んだ一戦は、ムビリが判定勝ち。

初回から積極的に出たムビリはワン・ツーから左ボディ。デレイビャンチェンコは足を使い動きながら左フック。2回はムビリの右ストレートでデレイビャンチェンコの足元が揺れた。3回、デレイビャンチェンコは動きながら右アッパー、左ボディ。ムビリも右ストレートから左でボディを叩く。

4回、ムビリは右を打ち下ろし左ボディ。しかし、デレイビャンチェンコは足を止めず、コンパクトなコンビネーションを返す。5回、デレイビャンチェンコは右ストレート、アッパーから左ボディで攻勢に出る、しかし、ムビリはパワフルな右を叩きつけ左ボディで押し返す。

6回、手数が減ったデレイビャンチェンコにムビリの右ストレート、左ボディがヒット。7回、ムビリの動きが止まり、ここぞとばかりに右で畳みかけたデレイビャンチェンコだが、ピンチを脱出したムビリは右ストレート、左ボディで逆襲。終了間際、ムビリの右でデレイビャンチェンコはグラリ。

8回、左手負傷が伝えられたデレイビャンチェンコは、サウスポーで戦う時間が長くなり、右でパンチを出し続けるが、ムビリの強い右ストレート、左ボディで後退。9回、デレイビャンチェンコは動きながら角度を変え、右でカウンターを狙う。追うムビリは機を見て右ストレート、左ボディ。

最終ラウンド、ムビリが右アッパー、左フックから右ストレートを叩きつけ攻勢に出る。動きが止まったデレイビャンチェンコは必死にディフェンス。ムビリは前に出てKOを狙ったが、デレイビャンチェンコはラスト30秒、打ち合いに出て試合終了ゴング。ムビリの手が挙がった。スコアは100-90、99-91、98-92。

セミファイナル、ヘビー級10回戦。WBC世界ヘビー級11位、IBF15位アルスランベク・マフムドフ(ロシア・カナダ在住)=19勝(18KO)1敗=と、グイド・ヴィアネッロ(イタリア)=12勝(10KO)2敗1分=の一戦は、ヴィアネッロが8回TKO勝ち。

互いに右ストレート、左フックの一発を狙う立ち上がり。しかし、2回に入るとスピードに勝るヴィアネッロの右ストレート、アッパーが決まりだす。このパンチでマフムドフの左目が腫れ、4回終了時には完全に塞がった。下側の腫れが酷い。突っ込んで右一発を狙うマフムドフだが、全く当たらず、ヴィアネッロの右を被弾。5回、ドクターチェックが入る。

6回、ヴィアネッロは慎重に攻め、無理はしない。7回開始時、再びドクターチェックが入るが、ここも続行。このラウンドもヴィアネッロの右ストレート、フック、アッパーがマフムドフに面白いようにヒット。8回が開始されると即座にマフムドフをドクターの下に連れて行った主審は、ここで試合をストップ。

WBC世界スーパーミドル級5位、IBF12位オスレイス・イグレシアス(キューバ)=11戦全勝(10KO)=と、元世界挑戦者セナ・アグベコ(ガーナ)=28勝(22KO)3敗=の10回戦は、イグレシアスが圧倒的なパワーで2回1分16秒TKO勝ち。

試合開始からプレスを掛けアグベコに迫ったサウスポーのイグレシアスは、得意の右フックを上下に決め、左ストレート、アッパーをヒット。終了間際には左ストレートから右フックを決めダウンを奪う。第2ラウンド、開始からアグベコに肉薄したイグレシアスは、ガードの上から強打をビシビシと打ち込み、防戦一方に追い込むと、左フックを3発叩き込み、続けて右フックをグサリ。アグベコがグラリと揺れると、レフェリーは試合をストップ。

20歳のライト級新鋭、アブドゥラ・メイソン(米)=14戦全勝(12KO)=と、マイク・オハンJr(米)=19勝(9KO)2敗=の8回戦は、メイソンが桁違いの強さで2回42秒TKO勝ち。今年4度目のKOで、これで5連続KOとなった。

サウスポーのメイソンは立ち上がりから速いジャブ、左ボディアッパーを打ち込むと、さらに右フック、左ストレートをヒット。初回終盤には左アッパーを顎に決めダウンを奪う。ここは終了ゴングとなったが、続く第2ラウンド開始早々、コーナーにオハンJrを追い込んだメイソンは鮮やかなワン・ツーから右フックをフォロー。キャンバスへ落下したオハンJrは立ち上がったが、レフェリーは試合をストップ。