7月19日(日本時間20日)に米・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催される、バリオスvsパッキャオ興行のアンダーカードに組み込まれていた、WBC世界スーパーライト級暫定王座決定戦に出場を予定していた、同級7位アンヘル・フィエロ(メキシコ)=23勝(18KO)3敗2分=は、前日計量を前に減量による健康上の問題により出場を辞退。
フィエロと対戦する事が決まっていた元WBA世界スーパーライト級王者で、WBC世界同級3位にランクされるイサック・”ピットブル”・クルス(メキシコ)=27勝(18KO)3敗1分=は、138.8ポンドで前日計量をクリア。対戦相手は急遽、オマール・サルシド(メキシコ)=20勝(14KO)2敗=に変更された。
アンダーカードの8回戦で、ブライアン・ガリエゴス(米)=8勝(6KO)1敗=との試合が組まれていた、元世界ライト級ランカーのサルシドは139.4ポンドで前日計量をクリアしている。
2月1日(日本時間2日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナでクルスと対戦したフィエロは、驚異的なタフネスとカウンターで、強打のクルスと真っ向からの打撃戦を演じ、10回判定負けを喫したが、試合はファイト・オブザ・イヤー候補に挙げられる好ファイトで、再戦がセットされた。

暫定王座が賭けられる事が決まった再戦を前に、フィエロはチャンピオンメーカーのロバート・ガルシアの下に弟子入り。雪辱を期しトレーニング・キャンプを消化。ここまで順調に来ていたが減量の最終段階で体調が悪化。ラスベガスの病院で経過観察を受けるに至った。
トレーナーのガルシアは、「私は今朝、私のファイター、フィエロにこれ以上の減量をさせない決断を下し、彼を病院に連れて行くようチームに指示しました。私にはファイターに戦う準備をさせるだけでなく、彼の安全を守る責任がある。最後の数ポンドをカットするのは彼にとって危険すぎるため、私は彼を試合に出場させない決断を下した。あらためて、関係者のみなさんにお詫びします」とコメント。
まさに急転直下でクルスとの対戦を受け入れたサルシドは、昨年10月に元WBA世界スーパーフェザー級暫定王者クリス・コルバート(米)=17勝(6KO)3敗=を、9回逆転TKOで破り世界ランキング入り。1月25日(日本時間26日)には米・ラスベガスのザ・コスモポリタン、ザ・チェルシーで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のセミファイナルで、現在、IBF、WBC世界ライト級1位、WBA2位、WBO7位にランクされるアンディ・クルス(キューバ)=6戦全勝(3KO)=と対戦。
初回から前に出てクルスを追ったサルシドだが、クルスのスピードとテクニックは一枚上で、10回大差の判定負け。上位進出への望みが絶たれたサルシドは、ガリエゴス戦が出直しの再起戦だったが、思わぬチャンスが舞い込んだ。クルスのスタイルとは噛み合うファイタータイプだけに、面白い試合となりそう。