4月26日(日本時間27日)、英・ロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催された、マッチルーム・ボクシング、Boxxer、クイーンズベリー・プロモーションによる共同プロモート興行、「City of the Wolves」のメインイベント。ミドル級12回戦。WBC世界ウェルター級3位、WBA5位コナー・ベン(英)=23戦全勝(14KO)=と、元WBA世界ミドル級暫定王者でWBC、IBF世界ミドル級2位、WBA8位のクリス・ユーバンクJr(英)=34勝(25KO)3敗=の一戦は、ユーバンクJrが判定勝ち。
前日計量でリミットを0.05ポンドオーバーしたユーバンクJrは、170ポンドに設定された当日計量を169.4ポンドでクリア。元世界王者同士の2世対決は、試合前に両選手の父親が紹介され大盛り上がりの中、試合開始ゴング。どっしりと構えるユーバンクJrに対し、一回り小さいベンは、体を振りジャブから右ストレートで飛び込んだ。
2回、ユーバンクJrはジャブ、左フック。ベンは速いジャブから右オーバーハンドを体ごと叩きつけた。3回、スピードで勝るベンの右が決まり、ユーバンクJrは一瞬グラり。
4回、ベンは小刻みに体を振り、飛び込む機会を伺いユーバンクJrを威嚇するが、ベンの動きに慣れて来たユーバンクJrは右アッパーをクリーンヒット。5回、ユーバンクJrのジャブが当たるようになり、続く右ストレートもヒット。
6回、ユーバンクJrがジャブを中心にラウンドを支配。機を見て飛び込むベンは、接近してはラフなパンチを振り回す。7回、ユーバンクJrの右アッパーが決まる。右ストレートを返したベンだが、ユーバンクJrはワン・ツーを返す。
8回、開始と共にベンが出て、左右フックを叩きつける。ユーバンクJrも応戦し、ラウンド後半は激しい打ち合い。9回、ベンの速い右オーバーハンドがユーバンクJrを捕らえる。被弾したユーバンクJrは、押し込んで左右アッパー。
10回、ベンが左右フックで攻勢に出る。右フックを喰ったユーバンクJrは体ごと押し込み左フック、右アッパー。11回、体ごと前に出るユーバンクJrにベンも応戦。接近戦でのショートブローの交換は、体格で勝るユーバンクJrに分がある。
最終ラウンド、真っ向からの打ち合いでスタート。体格で上回るユーバンクJrは、体ごと叩きつける左フックを中心にショートパンチで前進。ベンは押し込まれながらも強い右を返し、激しい打撃戦の中、試合終了ゴング。公式スコアはマーク・ベイツ(英)116-112、リー・エブリ(英)116-112、、キーラン・マッキャン(英)116-112。
セミファイナル。WBAインターコンチネンタル・ライトヘビー級王座決定12回戦。WBO世界同級2位、WBA4位、IBF5位、WBC9位アンソニー・ヤード(英)=26勝(24KO)3敗=と、WBA世界同級7位、IBF9位リンドン・アーサー(英)=24勝(16KO)2敗=の一戦は、ヤードが判定勝ち。

両者は2021年12月に対戦し、ヤードが4回KO勝ちを収めて以来の再戦。序盤は身長で5センチ上回るアーサーが、ジャブの差し合いを制し、右ストレートへ繋げ、距離を詰めて来るヤードの出鼻を抑えた。ヤードは左フックを中心にアーサーに迫るが、切り崩すまでにはいかず、盛り上がりの無いままラウンドは進む。
6回、ヤードは接近戦で左フックから右ストレートをヒット。しかし、7回には接近戦でもみ合う場面が増え、両者は主審から注意を受けた。以後もヤードが距離を詰め、接近戦でのパンチの交換が続いたが、両者共にダメージングヒットは奪えない。
11回、押し込んで左フックを上下に放つヤードにアーサーは右アッパーを突き上げる。しかし、ラウンド終盤はヤードのボディ攻撃で上体が丸まった。最終ラウンドもヤードが押し込み、アーサーは終始ロープを背負ったまま試合終了ゴング。公式スコアは116-112、116-112、115-113。

WBAインターナショナル・ミドル級王座決定12回戦。元WBO世界スーパーウェルター級王者で、WBC世界ミドル級10位にランクされるリアム・スミス(英)=33勝(20KO)4敗1分=と、IBF世界同級15位アーロン・マッケナ(アイルランド)=19戦全勝(10KO)=の一戦は、マッケナが判定勝ち。
試合は予想不利と見られていたマッケナが終始リード。最終ラウンドには左ボディでダウンを奪い、勝利を決定付けた。スコアは119-108、117-109、118-108。36歳のスミスは2023年9月2日(日本時間3日)に英・マンチェスターのAOアリーナで、ユーバンクJrとの再戦で10回TKOで敗れて以来の再起戦だったが、痛い黒星を喫した。
クルーザー級12回戦。前WBO世界同級王者でWBC、WBO世界同級4位のクリス・ビラム=スミス(英)=20勝(13KO)2敗=と、WBA世界同級3位、WBC5位、WBO9位、IBF11位ブランドン・グラントン(米)=20勝(17KO)2敗=の一戦は、ビラム=スミスが判定勝ち。スコアは116-112×3。
ビラム=スミスは、昨年11月16日(日本時間17日)にサウジアラビア・リヤドのザ・ヴィニューで、ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)=47勝(30KO)1敗=に12回判定で敗れ、WBO世界クルーザー級王座を失って以来の再起戦に勝利。
BBBofC(英国ボクシング管理委員会)British(英国)タイトル12回戦。王者でWBC世界クルーザー級12位、IBF、WBO15位チーボン・クラーク(英)=10勝(7KO)1敗=に、挑戦者ヴィダル・ライリー(英)=12戦全勝(7KO)=が挑んだ一戦は、ライリーが判定勝ち。スコアは117-111、116-112、115-113。
クラークは昨年12月14日(日本時間15日)にモナコ・モンテカルロのサル・デ・エトワールで、レオナルド・モスケア(フランス)=16戦全勝(9KO)=との無敗対決で、スプリットの判定で敗れたのに続く連敗となった。