9月に米・ラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催される、”リヤド・シーズン”での対戦同意が伝えられていた、WBC、WBO&WBAスーパー世界スーパーミドル級王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)=62勝(39KO)2敗2分=に、2階級で4団体王座統一を成し遂げた、WBA世界スーパーウェルター級&WBO世界同級暫定王者のテレンス・クロフォード(米)=41戦全勝(31KO)=が挑むタイトル戦は、キャンセルされた。
”リヤド・シーズン”を主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣が、個人的に所有するリング・マガジンが伝えたもので、今のところ、詳細は明らかにされていない。
クロフォードは昨年8月3日(日本時間4日)に米・ロサンゼルスのBMO・スタジアムで、イスラエル・マドリモフ(ウズベキスタン)=10勝(7KO)1敗1分=を12回判定で破り、WBA世界スーパーウェルター級王座を獲得した後から、カネロとの対戦をアピール。
これに対しカネロは、自分よりも体格で劣る相手を倒しても信用されない事を理由に、クロフォードとの対戦に消極的な姿勢を示していたが、「報酬が適正であれば、僕は今すぐにでも戦うよ」と、方針を転換。”リヤド・シーズン”を主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣が、「観たい」と希望していたクロフォードとの対戦が実現するものだと思われていた。
詳しい事情はこれから明らかにされるが、外部からはカネロが5月3日(日本時間4日)に米・ラスベガスで決まっている次戦で、人気YouTuberボクサーで、昨年11月に元統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米)に勝利した、ジェイク・ポール(米)=11勝(7KO)1敗=と対戦する可能性がある事が、その要因だとされている。
カネロのマネジャー兼トレーナーのエディ・レイノソは、カネロの次戦はIBF世界同級王者ウィリアム・スカル(キューバ / ドイツ・ベルリン在住)=23戦全勝(9KO)=か、WBA&WBC世界同級1位、WBO2位、IBF3位のクリスチャン・ムビリ(フランス)=28戦全勝(23KO)=になる事を、昨日、明言していたが、全ては今後2週間以内に決まるとしていた。
カネロvsポールの対戦話は以前から出ていたが、カネロvsクロフォード合意のニュースを受け、ポール陣営が報酬アップを条件に反転攻勢に出た可能性は否定出来ない。ボクシングファンであり、自分の観たいと思うカードを実現させて来たアラルシク大臣は、かねてからカネロvsポールを完全否定。これは世界のボクシングファン、関係者も同じ思いだろう。
カネロvsポールは再戦条項が設けられ、連戦で9月に行われても、カネロvsクロフォードを上回る売り上げを見込めるとされ、それが9月のクロフォード戦の妨げになっているというのが、今のところの仮説だが、果たしてどうなるか。カネロvsクロフォードは、復活するという見方も複数ある。今後に注目。