WBC、WBO&WBAスーパー世界スーパーミドル級王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)=62勝(39KO)2敗2分=に、2階級で4団体王座統一を成し遂げたWBA世界スーパーウェルター級&WBO世界同級暫定王者のテレンス・クロフォード(米)=41戦全勝(31KO)=が挑むドリーム・カードが、5月実現に向け動いている。

昨年9月14日(日本時間15日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、エドガー・ベルランガ(プエルトリコ)=22勝(17KO)1敗=の挑戦を一蹴したカネロの次戦は、シンコ・デ・マヨに合わせ5月に予定されているが、対戦相手候補にクロフォードが大きく浮上。

”リヤド・シーズン”を主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣は、かねてから両選手の対戦に前向きな考えを持っている事を明言していた。

しかし、カネロは自分よりも体格で劣る相手を倒しても信用されない事を理由に、クロフォードとの対戦に消極的な姿勢を示していた。だが、新年を迎えるタイミングでメディアからのインタビューに対し、対戦に前向きである事を表明。

「彼は偉大なファイターだ。しかし、私にとって、私の階級では、それは簡単な戦いだ。誤解しないでほしいが、クロフォードのような小柄な選手と戦うのは好きではない。理由があって階級があるんだ。だけど、報酬が適正であれば、僕は今すぐにでも参戦する。やるよ!」

一方、37歳のクロフォードは昨年8月3日(日本時間4日)に米・ロサンゼルスのBMO・スタジアムで、イスラエル・マドリモフ(ウズベキスタン)=10勝(7KO)1敗1分=を12回判定で破り、WBA世界スーパーウェルター級王座を獲得後、正式に階級を上げる事を表明。カネロとの対戦を望んだが、ケガによりリング復帰は5月になる事が伝えられていた。

マドリモフ戦でも体格面で見劣った事は否定できないが、クロフォードはカネロと対戦する場合にも体格的に不利になる事は十分承知しており、体格がこの試合で重要な役割を果たす事も認めている。そのうえで、自分のボクシング・スタイルを押し通せば勝利につながると考え、それを遂行する能力は持っていると自信を見せている。

2階級上げることも厭わず、カネロとの対戦に執念を見せているクロフォードは、パワー、スピード、テクニックを兼ね備えた万能型だが、カネロも豊富なキャリアから得たテクニックを持ち、パワーでは大きくクロフォードを上回る。クロフォードはスピードを軸に戦う事になるだろうが、カネロの重圧に圧し潰される可能性も大いにあり得る。

試合地は米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナが有力と見られている。34歳カネロvs37歳クロフォード。今後の動向に注目。