親子鷹で世界を目指す日本ライト級チャンピオン仲里周磨(オキナワ)=13勝(8KO)2敗3分=選手の初防衛戦は、12月24日に沖縄県豊見城市の沖縄空手会館で、同級3位村上雄大(角海老宝石)=4勝1敗=選手を挑戦者に迎え行われる。チケットは自由席6.000円、2階ベンチ席4.000円、立ち見席3.000円で、既に発売を開始。

仲里選手は4月26日に東京・後楽園ホールで、12戦全勝(10KO)のレコードを持つ宇津木 秀 (ワタナベ)選手を3回KOで破り、日本タイトルを獲得。父・繁氏以来、約21年ぶりに沖縄にチャンピオンベルトをもたらした。

小学生の頃からボクシングを始めた周磨選手は、中3の時、U15大会とちびっこ大会で優勝して全国2冠。中部商業高校では全国総体で8強に入った。高校卒業後、プロ入りを決意していた周磨選手に対し、父の繁氏は東京の大手ジムからのデビューを勧めたが、「小さい頃からずっとおやじに見てもらってきた。お父さんと一緒にやる」との決意を伝えた。

繁氏は協栄ジムOBの中真 茂 氏が設立した沖縄ワールドリングジムからプロデビュー。OPBFスーパーバンタム級王座を獲得し、2003年4月にオスカー・ラリオス(メキシコ)の保持するWBC世界スーパーバンタム級王座に挑戦。序盤に2度のダウンを奪われたが、8回には左フックでラリオスの顎を骨折させるも判定負け。しかしこの試合は、WBCの年間最高試合賞を獲得した。

2004年3月、ラリオスとの再戦は互角の打ち合いを展開するも、後半のラリオスのポイント重視のボクシングの前に敗れ王座奪取ならず。2005年4月にはフランスでマヤル・モンシブール(フランス)の持つ、WBA王座に挑戦したが、壮絶な打撃戦の末に6回TKO負けを喫し、この試合を最後に引退。

繁氏は引退後、沖縄県宜野湾市にボクシングクラブ・ナカザト(現在はオキナワ)を開設。後進の指導に当たる中、子息の周磨選手が日本王座を獲得し、世界タイトルへのチャレンジ実現も期待される。繁氏の現役時代、その強打に惚れ込んだ中真会長は、東京への出稽古はもちろん。世界王者となった佐藤 修 、坂田健史選手の協栄ジム・ハワイキャンプにも、繁選手を度々送り込み、世界王座獲得への執念を見せていた。その想いは繁会長にも十分伝わっている事だろう。親子鷹、夢へのチャレンジに期待。