IBF世界スーパーウェルター級王者バカラン・ムルタザリエフ(ロシア/米・カリフォルニア州在住)=23戦全勝(17KO)=と、同級3位(1、2位は空位)ジョシュ・ケリー(英)=17勝(9KO)1敗1分=の指名戦は、12月13日(日本時間14日)に英・マンチェスターで開催される事が決定。
ムルタザリエフは同級1位エリクソン・ルビン(米)=27勝(19KO)2敗=との指名戦入札が、8月19日(日本時間20日)に予定されていたが、ルビンの出場辞退により中止。ルビンは11月8日(日本時間9日)に米・テキサス州フォートワースのディッキーズ・アリーナで、WBC世界同級暫定王者バージル・オルティスJr(米)=23戦全勝(21KO)=へ挑戦する事が決定した。
IBFはルビンに代わりケリーにムルタザリエフとの対戦を指令。ケリー陣営はこれを受け、ムルタザリエフをプロモートするキャシー・デュバのメイン・イベンツと交渉を開始。当初から英国開催の線が打ち出され、デュバもこれを受け入れ、ケリーがプロモート契約を締結するワッサーマンの準備が整うのを待ちわびていた。
ムルタザリエフは昨年10月19日(日本時間20日)に米・フロリダ州オーランドのカリブ・ロワイヤルで行われた初防衛戦で、元WBO世界同級王者ティム・チュー(オーストラリア)=25勝(18KO)3敗=を初回から圧倒。計4度のダウンを奪い、第3ラウンド1分55秒TKO勝ち。あまりの強さに挑戦を希望する者がなく、試合枯れとなっていたがケリーとの対戦が決まり、「イギリスのファンに自分の試合を見せられるのは嬉しい。試合後はアーセナルの試合を観戦し、イングランドで少しリラックスしたい」と、喜びを表している。
対するケリーはWBO1位にランクされていた昨年9月21日(日本時間22日)に英・ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された、”リヤド・シーズン”で、リアム・スミス(英)の辞退により代理出場となったイシュマエル・デイヴィス(英)=13勝(6KO)2敗=とのミドル級12回戦で、115-113、115-114、114-114の僅差で勝利。ここ3年間の試合数が少ない事もあり評価を落とした。
今年は6月6日(日本時間7日)に英・ニューキャッスルで、フラウィウス・ビエア(ルーマニア)=24勝(12KO)2敗=を初回でKO。ルビンの辞退により思わぬチャンスが巡って来たケリーが、強い王者ムルタザリエフへの挑戦を受け入れるかが注目されていたが、ケリーは強気で「彼をを殴り飛ばす」とKO宣言。やる気を見せている。

同日の興行はフランク・ウォーレンのクイーンズベリー・プロモーションが主導。メインカードには8月16日(日本時間17日)にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催された、リヤド・シーズンのメインイベントで、元WBC世界ヘビー級暫定王者ディリアン・ホワイト(英)=31勝(21KO)4敗=を初回1分59秒TKOで撃破した、20歳のヘビー級KOセンセーション。WBA、WBO世界ヘビー級1位、IBF5位、WBC11位にランクされるモーゼス・イタウマ(英)=13戦全勝(11KO)=が出場。
対戦相手はWBO世界同級2位、WBA5位、WBC6位、IBF8位にランクされるフィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)=19勝(14KO)1敗=が有力だが、7月19日(日本時間20日)に英・ロンドンのウェンブリー・スタジアムで、オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)=24戦全勝(15KO)=との、4団体世界王座統一戦で5回KO負けを喫した、前IBF世界同級者ダニエル・デュボア(英)=22勝(21KO)3敗=も候補にあがっている。
両選手はイタウマと同じくウォ―レンとプロモート契約を締結しており、マッチアップは難しくないが、デュボアが再起戦でイタウマと戦うとは考えにくい。また、早い段階からホワイト(0-2判定負け)、アンソニー・ジョシュア(0-3判定負け)と、いずれも12回を戦った経験を持つ、元世界ランカーのジャーメイン・フランクリン(米)=23勝(15KO)2敗=も候補として名前があがっているが、ウォ―レンは最近になり「イタウマの次戦は、世界のトップテンから選ばれる」と発言しており、その条件からは外れる。対戦相手は間もなく発表される。