9月20日(日本時間21日)、米・アリゾナ州グレンデールのデザート・ダイヤモンド・アリーナで開催された、トップランク興行のメインカード。元WBO世界スーパーウェルター級王者で、WBC世界スーパーミドル級2位、WBO5位、IB6位、WBA10位にランクされるハイメ・ムンギア(メキシコ)=43勝(34KO)1敗=と、WBO世界同級2位、WBA4位、WBC、IBF7位エリック・バジニャン(カナダ)=32勝(23KO)無敗1分=の、WBCシルバー&NABF同級タイトル12回戦は、ムンギアが10回2分36秒KO勝ち。

WBCシルバー王者ムンギアと、NABF王者バジニャンの対戦は、ジャブの差し合いからスタート。ムンギアのジャブにバジニャンは右を合わせたが、ムンギアは左フックをヒット。2回、ムンギアは上体を振りジャブを突き、速いコンビネーションで攻勢。3回、プレスを強めたムンギアはジャブから接近し、右アッパー、左ボディ。

4回、軽快に動くムンギアだが、バジニャンはジャブを増やし、右ストレート。5回、ムンギアは接近し左右ボディ。バジニャンはムンギアの出鼻にジャブ、そして右ストレート。6回、ムンギアがペースを上げ左ボディから右アッパー、左フックでバジニャンを追い上げる。

7回、ムンギアは右ストレートから左フックを決め連打。しかし、バジニャンも右ストレートを返す。8回、ムンギアは先手の攻めで左ボディ、右アッパー。9回、ムンギアの攻勢は一休み。10回、開始からムンギアが出る。接近戦で左右フックを上下に打ち込みバジニャンを追い、右ストレートから連打。強烈な左フックが決まりバジニャンが後退すると、さらに連打。キャンバスへ落下したバジニャンは立ち上がる事が出来ず、テンカウントを聞いた。

ムンギアは5月4日(日本時間5日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)に12回判定で敗れ、初黒星を喫した後の再起戦に勝利。この試合からトップランクと契約を締結し、トレーナーもフレディ・ローチから、3試合ぶりに元のエリック・モラレスに戻している。

WBOインターナショナル・スーパーフェザー級王座決定10回戦。WBO世界同級3位チャーリー・スアレス(フィリピン)=17戦全勝(9KO)=と、ホルヘ・カスタネダ(米)=17勝(13KO)3敗=の一戦は、スアレスが3回2分22秒TKO勝ちで新王者。

初回、積極的に出たスアレスは左フックを決め、カスタネダをグラつかせる好スタート。その後も、長身のカスタネダにジャブをヒットしボディ攻撃。好戦的なカスタネダも応戦したが、迎えた第3ラウンド、左フックでダウンを奪ったスアレスが、再開後、一気にカスタネダに迫り右ストレートから左フックを決め2度目のダウンを奪うと、ノーカウントで試合はストップされた。

スーパーライト級8回戦。元WBA&IBF世界スーパーウェルター級王者フェルナンド・バルガス2世のエミリアーノ・バルガス(米)=11戦全勝(9KO)=と、ラリー・フライヤーズ(米)=13勝(5KO)6敗1分=の一戦は、バルガスが5回1分23秒TKO勝ち。

初回、つっかけて来るフライヤーズに対し、バルガスは伸びのあるジャブから右ストレートをヒット。角度を変えて左フック、アッパーを決め主導権を掌握。2回もバルガスはジャブ、右ストレートに加え左ボディを打ち込むと、ラウンド終盤には左アッパーの連打でフライヤーズを追い込んだ。

3回、ギアを上げたバルガスの左アッパーでフライヤーズは鼻から出血。強い左ボディも受けたが勇敢に応戦。試合を盛り上げる。4回、バルガスはジャブ、アッパー、ボディと多彩な左でフライヤーズを追い込む。5回、右拳を痛めたそぶりを見せたバルガスだが、左フックをボディから顔面に返しダウンを奪うと、即座に試合はストップされた。

20歳のバルガスは、その将来を大きく嘱望される見事な勝利。敗れたフライヤーズも、最後までしぶとく喰い下がり、大いに健闘。プロとしての意地を見せた。

セミファイナルには、トップランク期待の東京五輪スーパーヘビー級銀メダリスト、リチャード・トーレスJr(米)=10戦全勝(10KO)=が登場。保持するNABFジュニア・ヘビー級王座を賭けた8回戦で、ジョーイ・ダウェイコ(米)=28勝(16KO)11敗4分=と対戦。

サウスポーのトーレスJrはスピードを活かしたジャブ、右フックでダウェイコを揺さぶり、左を打ち込む機会を伺うが、接近すると振ってくるダウェイコの左フックは威力がある。

4回、トーレスの左ストレート、アッパーでダウェイコはグラり。このラウンドだけで4度マウスピースを吐き出したダウェイコは減点2。そして5回、トーレスはフィニッシュに向けて攻勢に出たが、疲れの見えるダウェイコの口からマウスピースがまた飛び出すと、レフェリーは試合を停止。トーレスJrが、5回2分2秒失格勝ちで王座の初防衛に成功した。