元WBO世界ヘビー級で前WBO暫定王者のジョセフ・パーカー(ニュージーランド)=36勝(24KO)4敗=は、10月25日(日本時間26日)に英・ロンドンのO2・アリーナで行われた、WBA世界同級暫定王者ファビオ・ウォードリー(英)=20勝(19KO)無敗1分=戦の当日に行われた、VADA(自主的アンチドーピング協会)による薬物検査でコカインの陽性反応が検出された事が明かになった。
パーカーは試合前日に行われた検査では陰性だったことが確認されている。また、試合当日はUKAD(英国アンチ・ドーピング)による検査も行われているが、こちらの検査結果はまだ発表されていない。
パーカーにはBサンプルの開示を求める機会が与えられているが、コカインの代謝物であるベンゾイルエクゴニンが、薬物摂取後数日間は尿中に検出される為、サンプルAとBの結果は同一になる。全ての検査結果が出た後、パーカーは軽ければ3ヶ月間。最大で2年間の出場停止処分を受ける可能性がある。

ウォードリーとの試合では、予想有利のパーカーが11回まで98-92、96-94、95-95のスコアでリード。しかし、ウォードリーの攻勢に押され、決定打は許さなかったものの防戦一方となり、ハワード・フォスター(英)主審は試合をストップ。ウォードリーが11回1分54秒逆転TKO勝利を収めた。
11回までパーカーが試合をリードし決定打も貰っていなかった事から、試合後ストップに対し、「早すぎた」との批判も出たが、BBBofC(英国ボクシング管理委員会)は、ストップに対する諮問委員会を開くことなく、フォスター主審の裁定を支持していた。
また、パーカーは国際的な覚醒剤密売組織との繋がりが再び取り沙汰されており、現在の組織との関係も疑われている。既にパーカーのチームからは、「早期復帰はない」との声も聞こえており、33歳のパーカーはキャリアの重要な時期をリングから離れて過ごすことになるのは確実と見られる。
