12月27日(日本時間28日)、ニカラグア・マナグアのアレクシス・アルゲリョ・スポーツ・センターで開催された、IBF世界フライ級挑戦者決定戦。元IBF世界ライトフライ級王者でIBF世界フライ級3位(1、2位は空位)にランクされるフェリックス・アルバラード=41勝(35KO)4敗=と、同級5位トビアス・レイエス(アルゼンチン)=16勝(15KO)無敗1分=の一戦は、アルバラードが判定勝ち。

高いKO率を誇るハードヒッター同士の対戦となった試合は、地元リングで張り切るアルバラードが、初回から前進。積極的にレイエスを追い、右フックを叩きつけ、左ボディ。対するレイエスは動きながら右アッパー、左フックで迎え撃った。2回は足を止めての打ち合いとなり、スリリングな打撃戦を展開。

3回、レイエスは左右ボディ、左フックを振りアルバラードに迫る。しかし、アルバラードは下がらず応戦。4回、アルバラードはジャブを突き、左ボディから右。レイエスは後手に回る。5回、アルバラードが、左ボディから回転の速い連打で攻勢。6回、アルバラードは連打で前進。レイエスは下がりながら左フック、右アッパー。

7回、アルバラードは巧みな上体の動きでレイエスの強打を外し、左ボディから連打を打ち込む。8回、ボディ攻撃からの連打でアルバラードは前進。レイエスは下がりながらもパンチを返すが空を切る。9回、開始ゴングと共に出たアルバラードは連打レイエスを追い、終了間際には左フックを好打。

10回、レイエスがボディから左右アッパーを放つが、接近戦での打ち合いはアルバラードのテクニックが一枚上。11回、アルバラードの攻勢は続く。レイエスは下がりながら右アッパー、左フック。最終ラウンド、サークリングするレイエスをアルバラードが追い回し試合終了ゴング。勝利を確信したアルバラードは肩車に乗り観衆に応えた。

公式スコアは115-113、115-113、114-114の2-0。しかし、この日のアルバラードは好調で、もっと差があるように見えた試合だった。

35歳のアルバラードは昨年10月14日(日本時間15日)にメキシコ・メリダで行われた、IBF世界フライ級挑戦者決定戦で、現王者のアンヘル・アヤラ(メキシコ)=18戦全勝(8KO)=と対戦。初回に右でダウンを奪った後、激しい乱打戦を展開。終盤はボディを効かせ、アヤラの追い上げを振り切ったと思われたが、3人の米国人ジャッジは、114-113×3でアヤラを支持。

惜しい試合を落としたアルバラードは、今年2月に、ホセ・ラミレス(メキシコ)=16勝(10KO)12敗1分2NC=を5回TKOで破り再起に成功。7月にも地元リングでフランク・サンチェス(メキシコ)=14勝(11KO)13敗=に10回判定勝利。「この機会を無駄にするつもりはない」との強い決意が伝わってくる好ファイトでレイエスを破り、アヤラとの再戦権利を獲得した。