IBFが10月2日(日本時間3日)付けで指令していた、世界ライト級王者レイモンド・ムラタラ(米)=23戦全勝(17KO)=と、同級1位アンディ・クルス(キューバ)=6戦全勝(3KO)=の指名戦は、30日間の交渉期間を待たず、10月16日(日本時間17日)にIBF本部でオンラインよる入札の開催が決定。

クルスとプロモート契約するマッチ・ルーム・ボクシングが即時入札を希望したもので、ムラタラをサポートするトップランクも同意したものと思われる。対戦が指令された後、エディ・ハーンは「今度は入札で勝利し、1月に試合を開催したい」と公言。

ESPNとの放送契約が満了して以来、新たな放送プラットホームを持たないトップランクは積極的に動けない状況にあり、入札はエディ・ハーンのマッチルーム・ボクシングが断然有利で、試合の開催は来年早々にDAZN放映興行で行われるものと予想される。

ナバレッテvsヌニェス 世界スーパーフェザー級王座統一戦

Emanuel Navarrete vs. Eduardo Nunez

WBO世界スーパーフェザー級王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)=39勝(32KO)2敗1分1NC=と、IBF世界同級王者エドゥアルド・”シュガー”・ヌニェス(メキシコ)=30勝(28KO)1敗=による王座統一戦は、ナバレッテをプロモートするトップランクと、ヌニェスのプロモーター、マッチルーム・ボクシングの双方がWBOに接触し、対戦実現へ前向きな姿勢を示している。

障害となるのはナバレッテが、5月10日(日本時間11日)に米・カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナで行った4度目の防衛戦で、試合結果が負傷判定勝ちからノーコンテストに変更された、同級1位チャーリー・スアレス(フィリピン)=18勝(10KO)無敗1NC=との即時再戦の履行。

8月初めからスアレスとの再戦に向けたトレーニングを開始したナバレッテは、「再戦は10月か11月だろう」と語っていたが、放送プラットホームを持たないトップランクは、ナバレッテvsスアレスの再戦もすんなり先に進められない状況にあり、再戦に付いての具体的進展はない。

Emanuel Navarrete Eduardo Nunez

ナバレッテは9月6日(日本時間7日)にメキシコ・ロスモチスのC.U.M.総合センターで行われたヌニェスの初防衛戦をリングサイドから観戦。ヌニェスがクリストファー・ディアス(米)=30勝(19KO)6敗=を12回判定で破りV1に成功すると、エディ・ハーンの呼びかけでリングに上がり、「今夜の彼の戦いぶりは素晴らしかった。良い試合だったと思う」とヌニェスを祝福し、「シュガー・ヌニェスと戦うのは光栄だ。何よりもメキシコがこの試合を望んでいると思う」と続けた。

これを受けヌニェスも、「今こうして君がここにいるのは本当に光栄だ。俺と戦いたいと言ってくれて嬉しい。君を大いに尊敬しているし、リングで対峙できるなら最高だ。メキシコにその試合を届けよう」と即答。

ハーンは「ナバレッテには試合の機会が必要だが、トップランクは今、彼を送り出す契約がない。だから我々が提携する。フェニックスかサンディエゴでのこの試合が実現すれば、莫大な収益を生むだろう」と、試合の実現に意欲的な姿勢を見せていた。

ナバレッテvsヌニェス実現の為には、スアレスと金銭的なステップ・サイド契約を締結し、将来の対戦を保証する契約を結ぶ必要がある。いずれにしても、トップランクはナバレッテvsスアレス再戦の実現に手間取っている状況にあり、マッチルーム・ボクシングの主導により、2026年初頭にDAZN放映興行での王座統一戦実現が期待される。