IBFが10月2日(日本時間3日)付けで指令していた、世界ライト級王者レイモンド・ムラタラ(米)=23戦全勝(17KO)=と、同級1位アンディ・クルス(キューバ)=6戦全勝(3KO)=の指名戦は、30日間の交渉期間を待たず、クルスとプロモート契約を結ぶマッチ・ルーム・ボクシングのエディ・ハーンが即時入札を希望。10月16日(日本時間17日)にIBF本部でオンラインよる入札の開催が決ったが、入札は来週22日(日本時間23日)まで延期された。

ムラタラとプロモート契約を締結するボブ・アラムのトップランクと、マッチルーム・ボクシングは、対戦契約締結の最終過程にあり、双方揃ってIBFに対し入札の延期を申請し認められたもの。

トップランクはESPNとの放送契約が満了して以来、新たな放送プラットホームを持たず、積極的に動けない状況にあり、エディ・ハーンが交渉の主導権を握り、試合は来年1月にDAZN放映での米国開催が有力。

ムラタラも好選手だが、東京五輪金メダリストのクルスは、三代大訓(横浜光)=17勝(6KO)2敗1分=選手を圧倒した試合でも見せた通リ、スピード、テクニックに加えパワーも兼ね備える。「私は最高の選手と戦うためにこの国に来た。そして、世界チャンピオンになる」というクルスの夢が、実現するという向きは多い。

プーレフvsガシエフ 決定 WBA世界ヘビー級レギュラー王座戦

Kubrat Pulev vs. Murat Gassiev

WBA世界ヘビー級レギュラー王者クラフト・プーレフ(ブルガリア)=32勝(14KO)3敗=に、元WBA、IBF世界クルーザー級王者で同級12位のムラト・ガシエフ(アルメニア)=31勝(24KO)2敗1NC=が挑むタイトル戦は、12月12日(日本時間13日)にUAE・ドバイのデューティーフリー・テニス・スタジアムで開催される事が決定。

44歳のプーレフは昨年12月7日(日本時間8日)にブルガリア・ソフィアで、約7年1ヶ月を経ての初防衛戦、約2年ぶりのリングという39歳のマフムド・チャー(ドイツ)=34勝(20KO)5敗=を12回判定で破り、3度目の挑戦で王座を獲得。今度が初防衛戦となる。

32歳のガシエフは2018年7月にオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)=24戦全勝(15KO)=に12回判定で敗れ、世界クルーザー級王座から陥落。2020年10月に約2年3ヶ月ぶりにヘビー級でリング復帰を果たして以来、これまで6勝(6KO)1敗の戦績で、唯一の黒星は2023年9月にオットー・ワリン(スウェーデン)=27勝(15KO)3敗1NC=との世界ランカー対決に、スプリットの判定で敗れたもので、プーレフとは好勝負。

WBAはプーレフに対し、同級1位モーゼス・イタウマ(英)=13戦全勝(11KO)=との指名防衛戦を指令したが、WBAの指令前にプーレフはガシエフとの対戦契約を締結しており、今回はそれが優先される事になった。今のところ、その理由と今後の指名防衛戦義務に付いての詳細は不明。