9月6日(日本時間7日)、メキシコ・ロスモチスのC.U.M.総合センターで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ。王者エドゥアルド・”シュガー”・ヌニェス(メキシコ)=29勝(28KO)1敗=に、同級15位クリストファー・ディアス(米)=30勝(19KO)5敗=が挑んだ一戦は、ヌニェスが判定勝ち。

5月28日に横浜BUNTAIで行われた王座決定戦で力石政法(大橋)=16勝(11KO)2敗=選手を12回判定で破り王座を獲得したヌニェスは、生まれ故郷での凱旋初防衛戦。試合は共に相手の出方を探り合う静かな偵察戦からスタート。

2回、ヌニェスが仕掛けると会場は大歓声。しかし、歓声は一度だけで手数は少ない。しかし、ディアスはさらに手が出ない。3回、ヌニェスが連打で攻め込み左フックをヒット。ディアスも右ストレートを返した。4回、ヌニェスが左右フック、アッパーで攻め込むが、ディアスも右ストレート、左フックを強振し譲らない。

5回、ディアスはどっしりと構えジャブから右ストレート。ヌニェスは慎重に飛び込む機会を伺う。6回、ヌニェスが強引に出る。左ボディから左右アッパー、フックと手数を増やし接近戦。ディアスはガードを固め、機を見て右ストレート、左フックを返した。

Eduardo Nunez vs. Christopher Diaz

7回、ヌニェスの右フックでバランスを崩したディアスは両グローブをキャンバスへタッチ。8カウントを聞く。再開後、再びヌニェスの右が決まると、今度は後方へはじき飛ぶようにしりもち。再びカウントを聞いた。8回、飛び込んで連打のヌニェスに対し、ディアスは右ストレートから左フックを上下に返し応戦。

9回、ヌニェスの攻勢を固いブロックで凌いだディアスは、右ストレート、左フックを打ち込む。10回、ヌニェスは接近し左右フック、アッパーでディアスに迫るが、ディアスは下がらず頭をつけて打ち合う。手数ではヌニェスだが、ディアスは距離が出来ると右ストレート、左フックを打ち込んだ。

11回、ディアスが打って出る。連打から右ストレートでヌニェスを押し込むが、ヌニェスもすぐに連打で逆襲。ディアスも押し返し打ち合いとなる。最終ラウンド、ディアスがプレスを掛けヌニェスは足を使いジャブ。だが長くは続かず、接近戦で激しい打ち合いになる。ディアスは手数のヌニェスを押し返し、右ストレート、アッパー、左フックをヒット。ヌニェスは左目上をカットした。

Eduardo Nunez vs. Christopher Diaz

終了ゴングが鳴ると両者共に勝利ポーズ。公式スコアは117-109、117-109、116-110。ヌニェスの勝利は文句ないが、ディアスは勝利への執念を見せ、ヌニェスをよく研究しうまく戦った。

バンタム級10回戦。元WBC世界ライトフライ級、元WBC世界スーパーフライ級暫定王者で、WBC世界スーパーフライ級8位にランクされるペドロ・ゲバラ(メキシコ・116.5ポンド)=43勝(22KO)5敗1分=と、アレクシス・モリーナ(メキシコ・118.2ポンド)=13勝(5KO)1敗1分=の一戦は、引き分け。

モリーナは元IBF世界ライトフライ級王者エイドリアン・クリエル(メキシコ)=24勝(5KO)6敗1分=に代わっての代理出場で、バンタム級が主戦場。元王者に対し臆することなく右を振って来るモリーナに対し、ゲバラは丁寧にジャブを突き試合を作りにかかる。しかし、モリーナはジワリ前進。距離を詰め左右フックでゲバラに迫った。

Pedro Guevara vs. Alexis Molina

4回、偶然のバッティングでゲバラは右目上をカット。ここからギアを上げたゲバラはジャブから右ストレート、左ボディに繋ぎ手数を増やして行くが、パワーに勝るモリーナは左右フックで執拗に喰い下がる。ゲバラの防御は固かったが被弾もあり、明確な差を見せられないまま試合は終了。スコアは97-93モリーナ、96-94ゲバラと、95-95。

フライ級10回戦。WBO世界フライ級4位、WBA15位ヨアリ・メヒア・モスケダ(メキシコ)=13戦全勝(10KO)=と、ジャーマン・バレンズエラ(メキシコ)=17勝(12KO)7敗1NC=の一戦は、モスケダが6回TKO勝ち。

初回から速いワン・ツー、左フックで優位に立ったモスケダは、バレンズエラの左右アッパー、左フックを巧みな出入りで外し、多彩なコンビネーションを決めリードを広げる。5回にはモスケダの右ストレートでバレンズエラのマウスピースが飛んだ。続く第6ラウンド、モスケダの左フックが決まり、再びバレンズエラのマウスピースが落ちると、セコンドは棄権の意思表示。26歳のモスケダはこれで5連続KOとなった。