7月27日(日本時間28日)、英・ロンドンのO2アリーナで開催された、クイーンズベリー・プロモーション興行のメインイベント。ヘビー級ノンタイトル10回戦。元WBO世界ヘビー級暫定王者でWBC9位、IBF11位、WBO14位にランクされるジョー・ジョイス=16勝(15KO)2敗=と、元世界挑戦者デリック・チゾラ(英)=34勝(23KO)13敗=の一戦は、チゾラが判定勝ち。

初回、左ジャブを突き前進するチゾラは左右フックの上下への波状攻撃でジョイスに迫る。ジョイスは右ストレート、左フックで迎え撃った。2回、ジョイスがプレスを掛けコンパクトな右ストレート、左フックを打ち込むが、チゾラは右オーバーハンド、左フックを返し打ち合い。

3回、チゾラは低い姿勢から左フックを打ち込み、右オーバーハンドもタイミングがいい。ジョイスはラウンド終盤、右ストレート、左フックを決めた。4回、距離を詰めて出たジョイスだが、左右フックは空を切り、チゾラはボディ攻撃から左フックを好打。

5回、ジョイスが前進し攻勢を仕掛けるが、チゾラはダッキングでジョイスのパンチを外し、ボディ攻撃から左右フックを飛ばす。ラウンド終盤、両者は接近戦で激しく打ち合った。6回、ジョイスの右ストレートがチゾラを捕らえスタート。追撃するが、チゾラは左右フックをヒットし反撃。しかし、被弾しながらもジョイスは下がらない。

7回、チゾラが前進。左フック、右オーバーハンドを決める。ジョイスはジャブからコンパクトな左フックをヒット。ジョイスの右アッパーで後退したチゾラは、打ち込まれながらも、左右フックを返す。8回、チゾラに疲れが見える。ジョイスはジャブを決め、右アッパーから左フックを好打。グラリと来たチゾラを追撃したが、ふらつきながらもチゾラは左右フックを返した。

9回、ジョイスが前に出る。ジャブから右ストレート、左フック、右アッパーと多彩なパンチでチゾラに迫り、あと一歩まで追い込んだが、ロープ際から放ったチゾラの右ストレートでジョイスがダウン。残り50秒、しかし、疲れたチゾラは追撃できずラウンド終了。

最終ラウンド。疲労の色濃いチゾラは押し込まれながらも右ストレート、左フックをヒット。それでもジョイスは下がらず、右ストレート、左フックを打ち込み、攻勢の中、試合終了ゴングを聞いた。好ファイト。印象的ヒットで上回り、ダウンをスコアしたチゾラの手が挙がった。スコアは97-92、96-94、96-94。

ヘビー級サバイバル戦を制した40歳のチゾラは、2022年12月にタイソン・フューリー(英)の保持していたWBC世界ヘビー級王座に挑戦。10回TKOで敗れたが、昨年8月12日(日本時間13日)に、元世界ランカーのジェラルド・ワシントン(米)=20勝(13KO)6敗1分=を10回判定で破り再起に成功していたが、この勝利で世界ランク復帰を決定付けた。

38歳のジョイスはチャン・ツィーレイ(中国)=26勝(21KO)2敗1分=に2連続KO負けを喫した後、3月16日(日本時間17日)に、前IBF欧州同級王者カッシュ・アリ(英)=21勝(12KO)3敗=を10回KOで破り再起に成功していたが、惜しい試合を落とした。勝者以上に元気な敗者は、「すぐにまたやれる」とリング復帰の意向。

EBU欧州スーパーバンタム級王座決定12回戦。WBO世界同級8位デニス・マッキャン(英)=15勝(8KO)無敗1分=と、イオヌート・バルタ(ルーマニア)=16勝(3KO)4敗=の一戦は、マッキャンが判定勝ちで王座獲得。スコアは120-108、117-111、117-111。