2月3日(日本時間4日)、英・ロンドンのOVOアリーナ・ウェンブリーで開始された、WBA世界ライトヘビー級挑戦者決定12回戦。同級1位ジョシュア・ブアッツィ(英)=17戦全勝(13KO)=と、同級2位ダン・アゼーズ(英)=20戦全勝(13KO)=の一戦は、ブアッツィガ判定勝ち。スコアは117-109、117-109、116-110。

元スパーリング・パートナーで仲の良い友人同士の一戦は、身長、リーチで勝るブアッツィが左ジャブを突き、右ストレート、アッパーでアゼーズの接近を封じる立ち上がり。3回はブアッツィがボディ打ちから連打を見せると、アゼーズも負けじと打ち返しテンポアップ。

4回、ブアッツィは左フックを上下に打ち分け、右ストレートをねじ込む。中盤になると接近戦でも左フック、右アッパーを有効に使うブアッツィが、手数、ヒット数で上回り試合の主導権を握っていく。流れを変えたいアゼーズだが、ブアッツィの左ジャブに前進を阻まれ、なかなか手が出ない。

終盤に入った第9ラウンドは接近戦での打ち合い。アゼーズの右も当たったが、ブアッツィも左フック、右アッパーで応戦。共に疲労の色が見え始めた11回、残り30秒でブアッツィの右ショートが当たるとアゼーズが足を滑らせるように倒れカウントが入る。終了間際にはブアッツィの右フックで、アゼーズは2度目のダウン。

最終ラウンド、ブアッツィのパワフルな左右フックを受けたアゼーズは大きくグラついたが、終了ゴングまで耐え試合終了。両選手は互いの健闘を称え合った。勝者ブアッツィは同級スーパー王者ドミトリー・ビボル(ロシア)=21戦全勝(11KO)=への指名挑戦権を獲得。

EBU欧州スーパーライト級タイトル12回戦。王者アダム・アジム(英)=10戦全勝(7KO)=に、元王者エノック・ポウルセン(デンマーク)=14戦全勝(5KO)=が挑んだ一戦は、アジムが5回KO勝ち。テクニシャンのボクサースタイル同士の対戦は激しいペース争いが繰り広げられたが、第5ラウンド、両者が接近した場面でポウルセンが突然右肩を痛めたそぶりを見せ、キャンバスへ膝を付きカウントアウト。あっけない幕切れとなった。

WBA世界ヘビー級王者ダニエル・デュボア(英)の実妹で、IBO女子世界ライト級王座を保持するキャロライン・デュボア(英)=8戦全勝(5KO)=に、挑戦者ミランダ・レイエス(米)=7勝(3KO)1敗1分=が挑んだ一戦は、サウスポーのデュボアが初10回戦のレイエスにフルマークの(100-90×3)の判定勝ち。

2020東京五輪ライトヘビー級銀メダリストのベン・ウィテカー(英)=5戦全勝(4KO)=と、ハリド・グレイディア(フランス)=10勝(2KO)13敗5分=のライトヘビー級8回戦は、ウィテカーが5回1分57秒TKO勝ち。2回に左ボディでダウンを奪ったウィテカーが、第5ラウンド、右ボディアッパーからの連打で追い込み、グレイディアがキャンバスへ沈むと、レフェリーは即座に試合をストップ。好素材のウィテカーだが、まだまだ世界との距離は遠い。