WBC世界スーパーフライ級王者ジェシー・”バム”・ロドリゲス(米・帝拳)=21戦全勝(14KO)=と、プロモート契約を締結する、マッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンは、ロドリゲスが今夏、王座統一戦でリングに復帰する事を発表。
ターゲットはWBO世界スーパーフライ級王者ブメレレ・カフ(南アフリカ)=11勝(8KO)無敗3分=で、7月19日(日本時間20日)に米・テキサス州ダラスで開催される、DAZN放映のマッチルーム・ボクシング興行のメインイベントでの実現を目指し、交渉は最終過程を迎えている。
ロドリゲスは昨年11月9日(日本時間10日)に米・ペンシルべニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで、WBC世界同級暫定王者ペドロ・ゲバラ(メキシコ)=42勝(22KO)5敗1分=との、WBC世界同級王座統一戦で、2008年3月のプロデビュー以来、これまでKOされた事がなかったゲバラを圧倒。3回2分47秒TKO勝ちを収めWBC王座の統一に成功して以来、試合から遠ざかっている。

一方のカフは、昨年10月14日に東京・有明アリーナで、田中恒成(畑中)=20勝(11KO)2敗=選手が保持していたWBO世界スーパーフライ級王座に挑み、第5ラウンドにダウンを奪い優位に立つと、後半の田中選手の追い上げを退け12回判定勝ちで王座奪取に成功。
初防衛戦は元世界4階級制覇王者で、同級1位にランクされるローマン・ゴンサレス(ニカラグア)=52勝(42KO)4敗=からのオファーに応え、3月下旬から4月にかけてニカラグアで挑戦を受ける事に同意し、正式発表が待たれたが、この計画は頓挫。2月下旬にカフのマネジャー兼トレーナーのコリン・ネイサンが、TEIKENプロモーションの本田明彦代表との電話で、ロマゴン戦が実現しない事を確認。
これを受け、カフ陣営は地元南アフリカでの防衛戦を計画。挑戦者には元WBA世界同級王者で4位にランクされるアンドリュー・モロニー(オーストラリア)=27勝(17KO)4敗1NC=が有力候補として挙げられていたが、ロドリゲス陣営から対戦オファーが入ると、王座統一戦へと舵を切っていた。
25歳のロドリゲスは、これまで安定したボクシングで強豪を次々に撃破。チャンピオンメーカーであるトレーナーのロバート・ガルシアが、「これまで私が見て来た選手の中では一番」と言い切るのにもうなずける、攻防兼備の実力者。4団体王座統一を目指すロドリゲスの優位は動かないが、初の国外試合で4階級制覇王者の田中選手を破り、故国で大歓迎を受け、一躍ヒーローとなり自信を付けているカフの強打は、番狂わせの可能性も秘める。正式決定が待たれます。