元世界2階級制覇王者で、現在、WBC世界バンタム級2位、WBO3位にランクされるファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)=44勝(28KO)4敗=の次戦は、6月14日(日本時間15日)にメキシコ・エルモシージョで開催される事が決定。
対戦相手には元世界5階級制覇王者で、人気を博したホルヘ・アルセ(メキシコ)の甥、カリム・アルセ(メキシコ)=21勝(8KO)2敗2分=が選ばれた。

35歳のエストラーダは昨年6月29日(日本時間30日)に米・アリゾナ州フェニックスのフットプリント・センターで、ジェシー・ロドリゲス(米・帝拳)=21戦全勝(14KO)=に7回KOで敗れ、WBC世界スーパーフライ級王座から陥落して以来、約1年ぶりの復帰戦で、バンタム級転向第一戦となる。
ロドリゲスとの試合はDAZNにより配信され、会場には7,261人の有料入場者を集め、ゲート収入は59万3,570ドル(約8,620万円)を記録。契約には再戦条項が含まれており、エストラーダは試合後すぐに再戦を求め、リベンジへの自信を顕にしていた。
その後、8月になり長年コンビを組んできた、名トレーナーの誉れ高いアルフレッド・カバジェロとのコンビ解消を発表。「カバジェロ氏には深く感謝しています。新しい環境は良い変化をもたらすと思う」とのコメントを発信。

ロドリゲスとの再戦は11月から12月にかけて行われる事で準備が進められたが、エストラーダは9月に入りロドリゲスとの再戦をキャンセル。今後はバンタム級に階級を上げ戦って行く考えを明らかにしていた。ようやく決まった復帰戦。3階級制覇のターゲットとなる世界バンタム級王座は、主要4団体の王座を日本人選手が独占。
6月8日(日)には東京・有明アリーナで、WBC王者”ビッグバン”・中谷潤人(M・T)=30戦全勝(23KO)=選手と、IBF王者西田凌佑(六島)選手=10戦全勝(2KO)=による王座統一戦が行われる。
また、WBC1位にランクされる那須川天心(帝拳)=6戦全勝(2KO)=選手、7月にWBA暫定王者アントニオ・バルガス(米)=19勝(11KO)1敗1NC=との対戦が内定済のWBA3位比嘉大吾(志成)=21勝(19KO)3敗2分=選手らを筆頭に、王座を目指すランカー軍が控えている。
エストラーダが1年間のブランクを補い、3階級制覇を成し遂げる為には、ウェイトに適した体作りと共に、時間との闘いもあるが、今度の相手アルセは、2021年9月にはエストラーダのキャンプに参加した事もあり、話題的にも選び抜かれた相手という印象。
27歳のアルセは2018年9月1日(日本時間2日)、メキシコ・シウダ・オブレゴンで、39歳となっていた元WBA世界スーパーフライ級王者アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)=41勝(31KO)10敗=と、スーパーバンタム級8回戦でグローブを交え、77-74×3のスコアで判定勝ち。

その後も連勝を続けたが、2021年6月にデビッド・クエジャール(メキシコ)=28勝(18KO)1敗=との無敗対決に、9回KOで敗れ初黒星。クエジャールは今年2月24日に東京・有明アリーナで、中谷選手の持つ世界王座に挑戦したが、3回KOで敗れている。
再起後は2022年8月にキャリア3戦、4回戦の経験しかなかったヘスス・モレノ(メキシコ)=10勝(8KO)1敗=に7回不覚のTKO負け。この後は約2年間のブランクを作った。
昨年7月6日(日本時間7日)にメキシコ・グアサベで行われた、WBCユース・シルバー・スーパーバンタム級王座決定8回戦で、ケビン・ビラヌエバ(メキシコ)=28勝(16KO)8敗3分=を、78-70、78-70、77-71の判定で破り再起に成功すると共に王座を獲得。しかし、その後は戦っていない。
共に同じ期間リングに上がっていない同士。エストラーダが階級を上げ、どれほど動けるのか。パワーは通用するのか。そして、世界2位にランクされる力の違いを見せつける事が出来るのか。日本人世界王者との対戦をアピールするには、名前に見合うだけの強い勝ち方が必要となるだろう。