7月11日(日本時間12日)、米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催された、女子ボクシング6大世界タイトル戦興行。メインイベント。女子プロボクサー史上2人目の2階級4団体統一王者で、4団体統一女子世界スーパーライト級王者のケイティ・テイラー(アイルランド)=24勝(6KO)1敗=に、女子メジャー団体7階級制覇王者でWBA&WBO女子世界フェザー級王者のアマンダ・セラノ(プエルトリコ)=47勝(31KO)3敗1分=が挑んだ一戦は、テイラーが判定勝ち。

両者は過去2度に渡り激闘を演じ、いずれも接戦となったがテイラーが連勝。3度目の対戦となった女子ボクシング史上最高の両選手の対戦は大人気で会場は超満員。試合前のリング上、テイラーにはエディ・ハーンが並び、セラノの横にはジェイク・ポールが控えた。

昨年11月以来、ダイレクトでの再戦となった試合は、テイラー、サウスポーのセラノ共にスピードある動きからジャブを突き合う、緊張感ある偵察戦からスタート。2回、左ストレートを伸ばすセラノ、右ストレートを狙うテイラー共にパンチは届かない。

3回、セラノがプレスを掛け前に出るが、テイラーはバックステップで交わし、右ストレート、左フック。接近すると打ち合うシーンが増える。4回、テイラーは踏み込んで右ストレート。セラノは右フックを巧打。

5回、互いに利き腕でボディストレートを打ち合い、上下に打ち分けるパンチの交換が増える。しかし、明確なクリーンヒットは両選手共にない。6回、セラノがジャブを放ちテイラーを追い、ワン・ツーから右フック。テイラーは右ストレートを返すが後手の印象。

7回、テイラーがパワー十分の右ストレートを差し込む。セラノは自分のスタイルを変えず、ワン・ツーを主体に、右フック。8回、セラノがワン・ツーで追うが、テイラーは足を使い距離を取る。共に当てにくい展開。

9回、セラノのワン・ツーは動くテイラーの前に届かない。しかし、距離を取り放つテイラーの右ストレートも浅い。最終ラウンド、流れは変わらない。セラノはジャブ、ワン・ツーでテイラーを追い、ステップを踏んで動くテイラーは右ストレート、左フック。終了ゴングが鳴ると、両選手は共に勝利ポーズを取った。

Taylor vs. Serrano3

最後まで互いに当てにくい展開で、共に派手なクリーンヒットはないまま終わったが勝者はテイラー。三度敗者となったセラノは茫然とうつむいた。公式スコアはニコラス・エズノー(カナダ)97-93、スティーブ・ワイスフェルド(米)97-93でテイラーと、マーク・ライソン(英)95-95の2-0。

セミファイナル。4団体統一女子世界スーパーフェザー級王者アリシア・バウムガードナー(米)=15勝(7KO)1敗1NC=に、IBF世界同級4位ジェニファー・ミランダ(スペイン)=12戦全勝(1KO)=が挑んだ一戦は、バウムガードナーが判定勝ち。スコアは98-92、98-92、97-93。

WBO、IBF女子世界スーパーミドル級王座統一戦。2階級制覇のIBF王者サバンナ・マーシャル(英)=13勝(10KO)1敗=と、WBO王者シャダシア・グリーン(米)=15勝(11KO)1敗=の一戦は、グリーンが判定勝ちで王座統一に成功。スコアは96-93、95-94グリーンと、96-93マーシャルのスプリット(グリーンはホールディングで減点1)。

Shadasia Green

WBC、WBO、IBF女子世界スーパーバンタム級王座統一戦。WBO&IBF王者エリー・スコットニー(英)=10戦全勝=と、WBC王者ヤミレス・メルカド(メキシコ)=24勝(5KO)3敗=の一戦は、スコットニーが判定勝ちで3団体統一王者となった。スコアは100-90、98-92、98-92。

WBA女子世界バンタム級王者チェルネカ・ジョンソン(オーストラリア)=17勝(7KO)2敗=と、IBF女子世界同級王者シュレッタ・メトカーフ(米)=14勝(2KO)4敗1分1NC=による王座統一戦は、ジョンソンが第9ラウンド2秒、ドクターストップによるTKO勝ち。ジョンソンはこの試合に賭けられた空位のWBC、WBO王座も獲得。4団体統一王者となった。

WBC女子世界スーパーライト級暫定王座戦。王者シャンテル・キャメロン(英)=20勝(8KO)1敗=に、WBC女子世界ライト級3位ジェシカ・カマラ(カナダ)=14勝(3KO)4敗1分=が挑んだ一戦は、キャメロンが判定勝ちで2度目の防衛に成功。スコアは99-91、99-91、98-92。