12月7日(日本時間8日)、プエルトリコ・サンファンのロベルト・クレメンテ・コロシアムで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインイベント。IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ。王者リアム・パロ(オーストラリア)=25戦全勝(15KO)=に、同級1位リチャードソン・ヒッチンズ(米)=18戦全勝(7KO)=が挑んだ一戦は、ヒッチンズが判定勝ちで新王者。
揺さぶりをかけジャブを伸ばし、左を上下に飛ばすサウスポーのパロに対し、世界初挑戦のヒッチンズはどっしりと構えカウンターを狙う立ち上がり。中盤に入ると、積極的に仕掛けるパロの右フック、左ストレートと、ヒッチンズの右ストレートがカウンターで交錯。
常に上体を振り先に仕掛けるパロだが、6回以降、徐々にヒッチンズのジャブ、右ストレートが決まりだす。終盤戦、パロは何とか突破口を開こうと打っていくが、ヒッチンズはうまいステップワークで交わし、パロの出鼻に右ストレートを打ち込みリードを広げる。最終ラウンド、逆転を狙うパロの攻勢をヒッチンズが交わし切り試合終了ゴング。
スコアは116-112、116-112ヒッチンズと、117-111パロのスプリット。しかし、117-111でパロは大いに疑問が残るスコアリングに思える。
WBA中南米大陸、IBFラテン、NABOスーパーフェザー級王座を賭けた、WBA世界同級7位のクリストファー・ディアス(プエルトリコ)=28勝(18KO)4敗=と、IBF世界同級12位、WBA13位ヘンリー・レブロン(プエルトリコ)=19戦全勝(10KO)=の一戦は、レブロンが判定勝ち。
ホルヘ・リナレスがチーフセコンドに就いたディアスは、ガードを高く上げ、ジワリとサウスポーのレブロンに迫り、右ストレート、左フック。レブロンは動きながら速いコンビネーションを放つが、ディアスはうまくプレスを掛け、コンパクトなパンチを上下に打ち分けた。
押し込み、右で間合いを図りながら左フックを合わせ連打に繋げるるディアスと、動いてコンビネーションを放つレブロンによる激しいペース争いが繰り広げられた試合は、最後まで足を使い動き、的を絞らせなかったレブロンが勝利。スコアは97-93、97-93、96-94。
WBA世界フライ級3位、WBC9位、WBO11位で、WBA米大陸王者、WBOインターコンチネンタル王者のヤンキエル・リベラ(プエルトリコ)=6戦全勝(2KO)=と、アンヘル・ゴンサレス(米)=14戦全勝(7KO)=による、WBCシルバー同級王座決定戦は、リベラが4回TKO勝ち。
サウスポーのリベラは初回からプレスを掛け、左ストレートを軸に優位に立つ。3回、攻勢を強めたリベラは右フックをカウンターで決めダウンを奪う。続く第4ラウンド、リベラの左ボディアッパーを喰ったゴンサレスは、一呼吸おいてダウン。再開に応じたゴンサレスをリベラは冷静に追い、左ストレートをカウンターで決め、この回2度目のダウンを奪う。何とか立ったゴンサレスだが、ルイス・パボン(プエルトリコ)主審は試合をストップ。
WBA北米大陸ウェルター級タイトル10回戦。王者でWBA世界同級14位にランクされる、ジャリル・ハケット(米)=9戦全勝(7KO)=に、挑戦者ホセ・ロマン・バスケス(プエルトリコ)=13勝(6KO)1敗=が挑んだ一戦は、バスケスが判定勝ち。スコアは96-94、96-94、94-96のスプリット。
序盤戦を制したハケットだったが、188センチの長身バスケスは4回から打ち合いに応じると、カウンターの左フックを有効に使い、勝負どころとなった終盤戦も、リーチを活かしたコンビネーションを打ち込み、世界ランカーを撃破。